2017 Fiscal Year Annual Research Report
物質構造科学の新展開 : フェムト秒時間分解原子イメージング
Project/Area Number |
24000006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷村 克己 大阪大学, 産業科学研究所, 招へい教授
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Project Period (FY) |
2013 – 2017
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Keywords | 光物性 / フェムト秒時間分解 / 時間分解電子回析 / 時間分解電子顕微鏡 / 光誘起相転移 / 超高速キャリア緩和 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、物質機能の根源的理解の基礎を提供する物質構造決定を、超高速で変化する非平衡過程に対して達成する為、フェムト秒の時間分解能を有する時間分解原子イメージング手法を開発し、それを駆使した固体の超高速構造変化・相転移現象の研究を推進して、物質構造科学研究の新展開を図る事を目指している。研究最終年度に当たる平成28年度は、以下の研究を推進した。 1. フェムト秒時間分解原子イメージング装置の開発研究 本研究のフェムト秒時間分解電子顕微鏡開発の基本方針である、①現有のMeV時間分解電子回折装置の原子イメージング測定装置への転生、②原子分解能を持つ電子顕微鏡にフェムト秒時間分解能を付与し時間分解原子イメージングを実現、に基づく研究を推進した。①では、発生させる電子線パルスのエネルギーと強度の安定化を極限的に推し進め、試作した時間分解電子顕微鏡装置の実証機を用いてシングルショットでの空間分解能50nmのイメージ観察を達成した。②に対しては、時間分解能600fs、空間分解能10Åの条件下で、TaS2結晶の光励起に伴う電荷密度波の変化に対応する超格子構造変化の時間分解イメージング研究を展開し、光励起によって超格子構造が部分的に崩壊して異なる励起密度状態を持つドメインに分解する過程を、初めて実験的に観測した。 2. 凝縮物質系の超高速構造動力学の研究 超高速フェムト秒時間分解電子回折測定、超高速分光測定、時間分解X線回折の結果を総合的に結合させて相変化記憶材料GeSbTeの光誘起構造変化過程の研究を行い、光励起による結晶相からアモルファス相への転移機構を解明した。更に、超高速構造動力学を駆動する励起電子系の超高速緩和過程をフェムト秒時間分解2光子光電子分光を用いて系統的に研究し、運動量空間における電子分布の時間分解イメージングを獲得すると共に、光と固体との相互作用で中心的な役割を果たす励起子の波動関数を実験的に決定する事に、初めて成功した。
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Research Products
(26 results)
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[Journal Article] Initial Atomic Motion Immediately Following Femtosecond-Laser Excitation in Phase-Change Materials2016
Author(s)
E. Matsubara, S. Okada, T. Ichitsubo, T. Kawaguchi, A. Hirata, P. F. Guan, K. Tokuda, K. Tanimura, T. Matsunaga, M. W. Chen, and N. Yamada
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Journal Title
Phys. Rev. Lett
Volume: 117
Pages: 135501-1-6
DOI
Peer Reviewed
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