2013 Fiscal Year Annual Research Report
フロリゲン(花成ホルモン)の分子機能解明と植物改良への展開
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24000017
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
島本 功 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (10263427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田岡 健一郎 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (00467698)
寺田 理枝 名城大学, 農学部, 教授 (30137799)
児島 長次郎 大阪大学, たんぱく質研究所, 准教授 (50333563)
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Project Period (FY) |
2012-05-29 – 2017-03-31
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Keywords | フロリゲン / 植物 / 発生・分化 |
Research Abstract |
「1. フロリゲンの分子機能の解明」では以下の結果を得た。花成誘導子子の発現追跡のためHd3a末端にGFP、転写因子OsMADS15末端にmOrangeあるいはLuciferaseを連結した可視化ノックイン変異イネを作出した。これらの観察の結果、Hd3aは花成初期から後期までメリステムに蓄積し、OsMADS15は花成の早い段階からメリステム全体で発現開始することが分かった。FACを含むタンパク質複合体の解析では、質量分析を行いFAC相互作用候補因子を得た。また、ChIP法によりin vivoでのFAC結合領域の同定を行なった。RCNタンパク質についても解析し、これが茎頂で蓄積して植物細胞内でFAC様の複合体を形成できることを明らかにした。RCNを含む花成リプレッサー複合体FRCの構造解析からは、Hd3aとRCNが受容体上で同一部位に結合している事が判明した。また、in vitroでの結合アッセイにより、Hd3aとRCNが14-3-3に対して競合的に結合することが明らかになった。以上から、花成の促進・抑制は受容体上でフロリゲンと花成リプレッサーが結合競合する事で切り替わっていることが強く示唆された。花成に関する大規模解析として、茎頂メリステムのプロテオーム解析、メチローム情報解析及びsmall RNA-seqの情報解析を実施した。フロリゲン多機能性の解析として、ジャガイモのFT、FDおよび14-3-3ホモログの機能解析からイモ形成におけるFACの重要性が示唆された。またフロリゲンが移動性の分子刺激として機能することが示唆された。 「2. フロリゲンによる植物改良への展開」では以下の成果を得た。Hd3a-RNAiイネを用いて収量とバイオマスへの影響を調査したが、野生型と比較して顕著な違いはなかった。フロリゲンRFT1によるイネ改良に向けR63GとR131Aの二重変異導入後にポジティブマーカーの自律的削除を誘導する改変法を確立し、変異導入候補カルス3系統を得た。
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Research Products
(23 results)
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[Presentation] 茎頂のメモリー2013
Author(s)
辻 寛之
Organizer
遺伝学研究所研究集会・イネ分子遺伝学の未来
Place of Presentation
国立遺伝学研究所(静岡県三島市
Year and Date
2013-10-18
Invited
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