2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study of brain mechanisms controlling body-fluid homeostasis
Project/Area Number |
24220010
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
野田 昌晴 基礎生物学研究所, 統合神経生物学研究部門, 教授 (60172798)
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Project Period (FY) |
2012-05-31 – 2017-03-31
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Keywords | 神経科学 / 脳・神経 / 体液恒常性 / イオンチャンネル / シグナル伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 口渇感と塩欲求が体液状態に応じて制御される神経機構の解明:平成27年度に見出した脳弓下器官(SFO)の水欲求を担う水ニューロンと塩欲求を担う塩ニューロンの制御機構について解析した。SFOにおいて、塩欠乏時にはコレシストキニン(CCK)によって活性化される抑制性ニューロンが水ニューロンの活動を抑えることがわかった。一方、脱水時にはNaxを介して活性化される抑制性ニューロンが塩ニューロンの活動を抑えることがわかった。 2. TRPV4とNaxによる飲水行動制御の神経機構の解明: 平成27年度、脳室に高張食塩水を注入するとNaxが活性化し、その下流でエポキシエイコサトリエン酸(EET)を介したTRPV4の活性化が起き、飲水行動が誘発されることを見出した。そこで、Nax発現部位であるSFOと終板脈管器官(OVLT)をそれぞれ破壊したところ、OVLTの破壊によって高張食塩水の注入に応じた飲水が失われることがわかった。そこで、OVLTの組織を採取し、EETの量を定量した。野生型マウスでは脱水によりOVLT組織中のEET量が増加することが確認された。一方、Nax遺伝子欠損マウスではEETの増加は観察されなかった。 3. 感覚性脳室周囲器官に特異的に発現する分子の機能解析: RNA-seqによるトランスクリプトーム解析によって見出したSFOやOVLTに特異的に発現する分子のうち、細胞レベルでNa+センサーとしての特性が観察されたものについて、遺伝子発現を抑制する人工マイクロRNA(miRNA)を作成し、マウスのSFO及びOVLTに導入した。脳室に高張食塩水を投与した際に誘発される飲水量を調べたところ、一部のmiRNA導入個体において正常群よりも飲水量が減少し、飲水行動に関わるセンサー分子である可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
所属機関プレス発表(Nature Neuroscience掲載分)。
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Research Products
(9 results)