2016 Fiscal Year Annual Research Report
Evolution of positronium beam science using the technique of photodetachment of positronium negative ions
Project/Area Number |
24221006
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
長嶋 泰之 東京理科大学, 理学部第二部物理学科, 教授 (60198322)
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Project Period (FY) |
2012-05-31 – 2017-03-31
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Keywords | 量子ビーム / 陽電子 / ポジトロニウム / ポジトロニウム負イオン / 光脱離 |
Outline of Annual Research Achievements |
エネルギー可変ポジトロニウム装置は27年度に完成したが、その性能を向上させるために、線源を新たなものに交換した。また、各種パラメータの最適化を行った。この結果、マイクロチャンネルプレートで検出されるポジトロニウムの計数率が20cpsとなった。マイクロチャンネルプレートの検出効率が10%とするとポジトロニウムビームとしての強度は200Ps/sである。 このようにして得られたポジトロニウムビームを固体表面にすれすれの角度で入射し、ポジトロニウムと表面の相互作用を調べる実験を行った。この結果、ポジトロニウムが表面で鏡面反射している様子が観測された。さらに、ポジトロニウムの回折像を得るための実験を行った。データを積算してすることで回折スポットは見えてくると期待される。 また、ポジトロニウム負イオンの光脱離のレーザー偏光依存性を調べる実験を行った。その結果、レーザーの偏光を変えるとポジトロニウムビームの時間広がりが変化する結果が得られた。このデータからはポジトロニウム負イオンの束縛エネルギーが得られる。 以上の結果について、論文数報を同時並行して準備中である。 さらに、アルカリ金属蒸着表面について調べるために、種々のアルカリ金属を蒸着したタングステン表面から放出されるポジトロニウムの飛行時間測定も行った。この結果、清浄なタングステン表面では、入射した陽電子のうち20%がポジトロニウムとして放出されること、アルカリ金属を蒸着すると80%以上がポジトロニウムとなって放出されることがわかった。これはアルカリ金属の蒸着によって、表面に低電子密度の領域が広がってポジトロニウムの生成が起こりやすくなることを示している。タングステンにアルカリ金属を蒸着するとポジトロニウム負イオンの生成率が飛躍的に増大する理由も、表面の電子密度が効いていると考えられる。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(19 results)