2016 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding Persistent Deflation in Japan
Project/Area Number |
24223003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 努 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (90313444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 浩介 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (30263362)
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Project Period (FY) |
2012-05-31 – 2017-03-31
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Keywords | マクロ経済学 / デフレーション / 金融政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
12本の論文を作成しNBER(全米経済研究所)主催Japan Project Meetingや国連主催Meeting of the Group of Experts on Consumer Price Indices等様々な場で報告を行った。 重要なトピックはデフレ期において価格の硬直化が起きた仕組みに関するもので、Asian Economic Policy Reviewが開催した国際会議で報告を行った(“Price Rigidity at Near Zero Inflation Rates”)。ゼロインフレの近傍で価格が硬直化する要因としては、(1)トレンドインフレの低下に伴って企業が価格据え置きを選択する度合いが強まる、(2)ゼロインフレが長く続くことにより価格に関する社会規範(ノルム)が変化する、という2つの理由が考えられる。この論文では、日本を含む8か国の品目別物価上昇率の分布の形状を調べることにより上記2つの要因を識別するという手法を新たに考案した。その上で、日本では90年代末に価格に関するノルムが著しく変化し、それが日本特有の価格硬直化をもたらしたことを明らかにした。本研究は、価格に関するノルムの変化が長期デフレの原因であることを示唆している。 また、今年度は5年間の研究成果を書籍として出版した(『慢性デフレ 真因の解明』日本経済新聞出版社)。大恐慌以来、起きたことのない政策金利ゼロという現象が再び日本をはじめとする先進国で起こったのは何故かという問いを立て、①物価上昇率と失業率の関係を表すフィリップス曲線の平坦化、②消費者物価の計測誤差、③スーパーの店頭における特売の頻度の変化、④名目賃金の伸縮性の変化、⑤家計間の物価格差、⑥為替の変化が物価に転嫁される度合いの変化、という6つの視点から分析を行った。この分析結果は内閣府や日本銀行等政策当局者の注目を集めた。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(59 results)