2012 Fiscal Year Annual Research Report
超多端末モバイルを支える無線資源極限利用アーキテクチャの実証的基礎研究
Project/Area Number |
24240009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
渡辺 尚 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (90201201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四方 博之 関西大学, システム理工学部, 准教授 (00510124)
石原 進 静岡大学, 創造科学技術大学院, 准教授 (10313925)
小花 貞夫 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (60395043)
萬代 雅希 上智大学, 理工学部, 准教授 (90377713)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ユビキタスネットワーク / アドホックネットワーク / メディアアクセス制御 / スマートアンテナ |
Research Abstract |
以下の4テーマを推進した。 1.無線電波通信の高度化:適応指向性電波通信では指向性制御や中継処理のオーバヘッドを考慮し,指向性通信メディアアクセス制御(MAC),経路制御,マルチチャンネル制御をベースとし,全二重通信,符号化等の技術を駆使して無線リソース高密度利用が可能な無線通信技術を開発した.特に,【1-a:適応指向性通信,全二重通信,ネットワーク符号化,スーパーポジション符号化による高度化】のうち、全二重通信メディアアクセス制御、指向性全二重通信メディアアクセス制御、スーパーポジション符号化メディアアクセス制御、ネットワーク符号化ルーティング等を開発した. 2.画像・光・電波連携プロトコル(ORCP)の設計と評価:ここでは,指向性通信用MAC並びに経路制御プロトコルをベースとして,下記2-aの開発技術で得られる環境情報を元に,制御用パケットを最小限としたMAC制御,干渉防止が可能なMACプロトコル,経路制御技術を設計した.【2-a:画像・光による状況把握技術の開発】まず固定のマーカーや形状の特徴量,機器上のLEDの配置によって,対象物・ノードの移動がない環境で障害物,通信相手,避けるべき通信パスの特定を行う画像処理方法について検討した.検討・設計した手法を,シミュレーションによって評価した.また、Warp等を購入し、テストベッドによる実証に向けた準備を行った。 3.画像通信,可視光通信補助型指向性通信基礎テストベッドの設計・開発:【3-a: UNAGI-2の開発】画像認識,可視光通信に対応した基礎テストベッドUNAGI2を設計した.設計では、可視光通信の送信側の装置,光を利用したポインティングデバイスとしてLEDアレイを使用するが、開発には至らなかった。 4.応用システムの設計および評価:電波単体を用いた指向性通信のITS分野,高密度モバイル通信への適用を検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(3)のORCPテストベッド開発には至っていないが、逆に(1)に関しては、Warp等を購入し、テストベッドを開発している。その他、論文2本、国際会議6本、研究会等23本を出版しており、順調に研究が進んでいると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
以下の4点について研究を推進する. (1) 無線電波通信の高度化:【1-b :複数周波数帯域を併用した高度化】全二重通信やネットワーク符号化等を用いた高度化を進める.また、チャネル状態や周辺の干渉状況に関する環境情報を取得する方法あるいは,レートレス符号のように明示的に収集しなくても対応できる方式を考案する.【1-c: その他の高度化(L3,L4,省電力化)】多数の端末が存在することは,中継端末の選択肢が広がることを意味する.これを利用した効率的なL3トポロジ制御方式を開発する.また,L4フロー制御については,無線物理層およびデータリンク層で得られる情報を用いる方式を考える.【1-d:評価】WarpやUSRPなどで実証的に評価する. (2) 画像・光・電波連携プロトコル(ORCP)の設計と評価:【2-b:ORCPの開発】画像・可視光信号を用いた通信条件の把握を用いたプロトコルORCPを設計する.まず数3~10台程度の近接ノードがある場合等のシミュレーションによる性能評価を行う.【2-c:評価】3年目以降には通信中の環境変化がある場合を想定した手法開発に取り組む. (3) 画像通信,可視光通信補助型指向性通信基礎テストベッドの設計・開発:【3-b: テストベッドの検討】テストベッドの基礎設計に基づき,より詳細な設計を行う.また,無線全二重通信や指向性制御についてもこれまでの成果を踏まえて実験装置を改良し,ソフトウェア無線装置USRP,Warp等を用いて基礎実験装置を構成する. (4) 応用システムの設計および評価:引き続き,高密度モバイル通信への適用を検討し,指向性通信の問題点,電波以外の無線メディア利用方法に関する要件を抽出する. 最終年度は,それまでに考慮した電磁波の特性に加えて,必要エネルギー,サイズ,精度等をも考慮したアーキテクチャに関して課題整理を行い,次期研究の先導とする.
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