2014 Fiscal Year Annual Research Report
超多端末モバイルを支える無線資源極限利用アーキテクチャの実証的基礎研究
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24240009
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渡辺 尚 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (90201201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四方 博之 関西大学, 工学部, 准教授 (00510124)
石原 進 静岡大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10313925)
猿渡 俊介 静岡大学, 情報学研究科, 講師 (50507811)
小花 貞夫 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (60395043)
萬代 雅希 上智大学, 理工学部, 准教授 (90377713)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 無線ネットワーク / メディアアクセス制御 / 経路制御 / 無線資源割当 / 無線LAN |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,高い通信端末密度の超多端末モバイル環境において,無線資源等を効率的に使用する制御技術を開発することを目的とし,(1) 無線電波通信の高度化(2) 画像・光・電波連携プロトコル(3) 応用システムをサブテーマとして推進している.平成26年度は,以下のように進めた. (1) 無線電波通信の高度化:全二重通信の逐次干渉除去方式および干渉を考慮したレート適応制御,パケットを部分的に中継する重畳符号化アクセス制御を開発し,特性を明らかにした.また,物理層ネットワーク符号化に関して,他ノードからの干渉信号による受信信号特性への影響や送信電力を考慮した特性の評価を行った.さらに,無線LAN接続ユーザ数とスループット予測を勘案した無線ネットワーク選択およびレート制御手法を開発した. (2) 画像・光・電波連携プロトコル:カメラによって得た移動端末の位置に基づいて,複数の無線LAN基地局側のキャリアセンス閾値の動的変更によってスループットを向上させる方法を設計した.また,端末の位置に基づいて複数の基地局を選択的に用いて多くの端末への送信を行ってスループットを向上する方法を開発した. (3) 応用システム:まず,電波単体を用いたITS応用について,周辺車両が道路や交通の状況に関する情報を効率的に共有できるように,互いの位置情報に基づいて中継車両の送信優先度を決定する通信制御方式を考案した.また, 歩行者事故低減のために歩行者状態などのコンテクスト情報に基づいて危険度の高い歩行者がその存在を優先的に周辺車両に通知可能とする送信制御方式等を考案した. さらに,ビデオストリーミングの無線化に関しても検討を行った. 以上の成果を国内外の学会,国際会議,論文誌等で発表し,社会的に公表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学術論文1報,国際会議8報,研究会論文18報を出版し,特許1件を出願している.国際会議はGlobecomなどの著名な会議を含んでいる.また,情報処理学会マルチメディア,分差,協調とモバイル(DICOMO2014)シンポジウム優秀論文賞等を受賞している.今年度の成果を元に,さらにジャーナル論文,国際会議論文を投稿する予定であり,学術的成果が得られていると考える.さらに,大阪大学情報通信ネットワーク研究グループにて7局の無線免許を申請し,次年度の実験に向けた準備が整っている.
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Strategy for Future Research Activity |
【平成27年度の研究計画】 平成27年度は,最終年度であるため基本的には全体の成果をまとめることに重点を置く.個別の技術としては,前年度までに研究開発した無線指向性全二重通信,指向性全二重通信,ネットワーク符号化,スーパーポジション符号化を利用する方式をメディアアクセス制御,ルーティング等の観点からWARP, USRP等の実機実装によって,検討を進める.また,この研究で得られた個々の技術の評価,残った課題の整理,応用分野の検討,実用化の際の問題点の整理などのまとめを行う.
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