2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24240049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
影山 龍一郎 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80224369)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 神経幹細胞 / miR-9 / Hes1 / マイクロRNA / 発現振動 |
Research Abstract |
神経幹細胞は胎生期には盛んに増殖して多様な細胞を産生するが、成体脳では時折分裂するのみで、多くは休止状態である。さらに加齢とともに、神経幹細胞は複製老化になり分裂能を失う。このような分裂能の変化を引き起こす分子機構は、よくわかっていない。我々は、神経幹細胞の維持に必須な役割を担う転写抑制因子Hes1が細胞分裂能と密接に関わることを見出してきた。Hes1の発現がネガティブフィードバックを介して振動しているときは細胞分裂は活性化されているが、発現が定常になると休止状態になり、さらにHes1の発現が無くなると分裂能が消失した。Hes1の異なる発現動態の制御機構を明らかにするために、まずHes1 mRNAの3’非翻訳領域を標的とすることが知られているmicroRNAであるmiR-9の発現を解析した。その結果、Hes1やHes5の発現が振動している領域では、miR-9は高レベルに発現するのに対して、Hes1が定常発現する境界領域ではmiR-9は発現していなかった。さらに、Hes1の発現が振動している細胞においてmiR-9をノックダウンしたところ、Hes1の発現振動が阻害されて定常発現になった。また、miR-9の強制発現によって、Hes1 mRNAは不安定になり、Hes1蛋白の発現量も減少した。その結果、神経幹細胞は減少し、ニューロンへの分化が亢進した。これらの結果から、miR-9はHes1 mRNAを不安定化させることによってHes1の発現振動を引き起こすこと、miR-9が無くなるとHes1は定常発現することが明らかになった。また、miR-9はHes1の発現振動を引き起こすことによって神経幹細胞の維持に重要な役割を担うが、その発現が高くなりすぎると神経幹細胞は維持されなくなることも示された。したがって、miR-9の適度な発現量が、神経幹細胞の維持に重要であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マイクロRNAであるmiR-9はHes1の発現振動を引き起こすことによって神経幹細胞の増殖・維持に重要な役割を担うこと、しかしその発現が高くなりすぎると神経幹細胞は維持されなくなることを明らかにし、Hes1の発現動態の制御機構の一端を明らかにすることができた。。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、胎児脳および成体脳の神経幹細胞におけるHes1やプロニューラル遺伝子の発現動態をしらべ、細胞周期との関係を明らかにする。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Light-induced silencing of neural activity in Rosa26 knock-in mice conditionally expressing the microbial halorhodopsin eNpHR2.0.2013
Author(s)
Imayoshi, I., Tabuchi, S., Hirano, K., Sakamoto, M., Kitano, S., Miyachi, H., Yamanaka, A., and Kageyama, R.
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Journal Title
Neuroscience Research
Volume: 75
Pages: 53-58
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Essential roles of the histone methyltransferase ESET in the epigenetic control of neural progenitor cells during development.2012
Author(s)
Tan, S.-L., Nishi, M., Ohtsuka, T., Matsui, T., Takemoto, K., Kamio-Miura, A., Aburatani, H., Shinkai, Y., and Kageyama, R.
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Journal Title
Development
Volume: 139
Pages: 3806-3816
DOI
Peer Reviewed
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