2012 Fiscal Year Annual Research Report
SCNジーンプロジェクトによる生体リズムの分子機構の解明
Project/Area Number |
24240058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡村 均 京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (60158813)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 視交叉上核 / 生体リズム / シグナル伝達 / 生理学 / 脳・神経 |
Research Abstract |
視交叉上核(SCN)は、生体リズムの中枢であり、自身は強力なリズム信号を発し、他の脳部位や全身の細胞で発生するリズムを調律・統合している。最近、我々はSCN に発現する遺伝子を組織化学で同定し、リズムに及ぼす影響をノックアウトマウスで網羅的に検定する研究SCN-Gene Projectを開始した。今年度、このSCN-Gene Projectにて採取した、SCN特異的に発現し、その発現に約24時間の周期が見られる、機能未知の低分子量Gタンパク質に着目した。このコンディショナルノックアウトマウスを作成した。全身にCreを発現するCAG-Creマウスを交配させ、さらに、得られたマウス同士を交配させることで、全身性G888ノックアウトマウスを得た。このこのホモ欠損マウスでは、Southern hybridization法による検討を行ったところ、目的通りの位置に特異的なDNAバンドが見られたため、当該遺伝子が確かに変異していることが確認できた。さらに、ホモ欠損マウスの行動リズムを、明暗条件下、恒暗条件下で観察したところ、外界の明暗周期にうまく同調できないなどの明らかに異常な行動リズムが認められた。この行動リズムの異常は、野生型マウスでは見られなかったことから、この行動異常はG888が欠損したことにより生じたものであると考えられる。このマウスの遺伝的バックグラウンドを均一化するため、C57BL6系とさらに純化中である。この他のSCN-Gene projectにより得られた遺伝子のノックアウトマウスに、光による位相変位が亢進するマウスを見つけ、その分子機構を探求ス売ると同時に、SCNリアルタイムモニター系を用いて時計遺伝子の発現リズムの変位を解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SCNでのノックアウトマウスの作成は、年間2-3の割合で、順調に増加中である。
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Strategy for Future Research Activity |
SCNの機能解析をする装置は、200台を超え、SCN-Gene Projectで作成したマウスを行動解析している。今後は、行動のみならず、排尿、血圧などの概日変動のモニターも行いたい。
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