2014 Fiscal Year Annual Research Report
SCNジーンプロジェクトによる生体リズムの分子機構の解明
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24240058
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡村 均 京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (60158813)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 生体リズム / 時差 / バソプレッシン / 受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
SCNジーンプロジェクトとして遺伝子を追加検索し、それらの発現、脳機能、細胞機能を調べた。さらに、先年度解明したバソプレッシン(AVP)および、AVP受容体の神経回路をさらに検索した。SCNでAVP細胞は同時にV1受容体を発現しており、SCN内で神経回路を形成している。昨年我々は、V1aV1b両受容体を欠損したV1aV1bDKOマウスは、体内時計発振機構は正常であるのに、時差条件でも時差を示さずすぐに同調ことが、このSCN神経回路と関係あるのかを検証した。Per1-lucレポーターSCNスライスの生物発光のリアルタイムモニタリングにより、WTのSCNでは、SCNの背側の細胞が概日リズムのピークを迎え、その後波が伝播していくように、腹側に向かって次々と細胞がピークを迎えていった。このSCNスライスにタンパク質合成阻害剤であるcycloheximide (CHX)を投与すると、細胞発光の概日リズムは完全に消失し、CHXを除去すると、その3時間後に全てのSCN細胞が同時に発光リズムのピークを迎えた。その後、WTのSCNの場合は、CHX投与前に観察された背側から腹側の順序の通りに各細胞の概日リズムは回復した。一方、V1aV1bDKOのSCNでは、CHX投与前は各細胞がWTと同様の背側から腹側の順序で概日リズムを示したが、CHX投与後はその順序の通りには回復しなかった。次に、V1aV1bDKOのAVP細胞間の位相較差があるかどうかを検討した。SCNスライスの各細胞が発光リズムのピークを迎える時間の分散値を解析したところ、V1aV1bDKOのSCNではWTのものに比べて有意に分散値が小さかった。また、WTのSCNにV1aとV1bのそれぞれのアンタゴニストを投与すると、コントロール投与群と比較して、各細胞振動のリズム位相差が有意に小さくなった。今後、SCN内のAVP-V1aV1b局所神経回路の細胞位相較差と時差が関係あるかが次の課題であるかが検討課題である。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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