2012 Fiscal Year Annual Research Report
情動行動制御における扁桃核―前帯状回ループの役割の解明
Project/Area Number |
24240060
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 克樹 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (70243110)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮地 重弘 京都大学, 霊長類研究所, 准教授 (60392354)
|
Project Period (FY) |
2012-05-31 – 2016-03-31
|
Keywords | サル / 前帯状回 / 扁桃核 / ニューロン / 神経トレーサー / 情動 |
Research Abstract |
初年度は、研究体制を構築した。神経生理学的研究の分担は代表者の中村と研究員のチームを構成する。平成25年度より研究に参加してくれる研究員を見つけ、刺激提示および記録用のプログラムの整備等の準備を行った。また、前帯状回のニューロン記録用のサルを訓練して記録が可能なように外科的処置を済ませた。一方、神経解剖学的研究の分担は分担研究者の宮地と大学院生のチームを構築した。大学院生2名が研究に参加することになった。解剖学的研究のため、サル2頭の前帯状回に神経トレーサーを注入した。1頭あたり3種のトレーサーを前帯状回の中の小領域にうち分けた。扁桃核・視床・海馬等と前帯状回との結合様式を調べた。さらに、遺伝子改変技術を用いた経路選択的破壊実験の準備を進めた。どのようなベクターを用いれば良いかを、同じ研究所に所属する研究者と相談し、その実験計画書の作成を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究組織が予定通り構築できた。また、神経生理学的研究には2名の研究員の参加が確保でき、1名は記録実験を開始できる状態にある。もう1名も春からサルの訓練を開始できる状態で平成25年度には成果の一部を発表できる状態に持って行ける見通しがたった。一方、神経解剖学的研究も2名の大学院生の参加が確保でき、すでに2頭のサルに神経トレーサーを注入できた。今後、研究の速度を上げ、成果をあげられる体制が整った。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでほとんどその応答性が知られていない前帯状回のニューロンの応答特性を調べる研究を推進する。また、扁桃核と前帯状回の機能的結合を生理学的に検討する研究も推進する。さらに、前帯状回が扁桃核を中心とした情動制御に関連する脳部位とどのように結合しているのかを詳細に検討する研究もさらに推進する。ウィルスベクターを用いた研究に関しては、霊長類研究所の高田教授・井上助教らと相談し、アドバイスをもらいながら推進していく。
|