2013 Fiscal Year Annual Research Report
細胞組織の機能評価のためのシールドレス超高感度磁気センシングシステムの開発
Project/Area Number |
24240080
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
内山 剛 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00203555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 晋介 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30192230)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高感度磁気センサ / 細胞組織 / 平滑筋 / 脳波 |
Research Abstract |
1)高感度マイクロ磁気センサ回路の低ノイズ化を検討した。また、センサコイルの巻数の値についても最適化を行い、インピーダンス整合により、S/Nが改善できることを理論的・実験的に示した。。2)ヘッドコイル内のアモルファスワイヤの本数を増やすことにより、S/Nが向上するかどうかについて検討した。その結果ワイヤ本数を4本の素子において、1本のワイヤの場合比べて、S/Nが1.5倍改善することが分かった。3)摘出胃筋層標本による試作磁気センサの評価実験では、胃筋層標本の向きを反対にすると、検出信号の方向も反対になっていることが確認され、標本組織内部を流れる電流が計測できることが再現できた。4)高感度マイクロ磁気センサによる計測法の、細胞組織の機能評価への応用に関して、人体後頭部や頭頂部の生体磁気を計測した。マイクロ磁気センサによる計測結果と、脳波計測や、超伝導量子干渉計による脳磁場の計測結果と比較するために、オドボール課題により、P300脳波信号の検出を行った。その結果、研究室内の数名の被験者からP300脳波と考えられる信号の検出に成功した。試作磁気センサにより計測される頭部付近の生体信号は、SQUIDによる計測事例より、数十倍から数100倍程度信号が大きいためシールドレスでの計測も可能であった。しかし、マイクロ磁気センサによ近接計測では、脳波あるいは、脳磁場以外の生体からの信号(アーチファクト)の影響を受けている可能性も考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞組織からの自発的な電気活動による生体磁場をシールドレスで計測するセンサシステムの最適化はほぼ、完成した。細胞組織についての、磁気計測実験については、培養細胞組織等のへの適用について計画が遅れ気味である。脳細胞組織の機能評価への可能性については、試作磁気センサで、人体の頭部において、P300脳波の計測を行い、有用な知見が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞組織からの生体磁場をシールドレスで計測するマイクロ磁気センサの医学や医療への応用を重点的に調査する。培養細胞組織等での評価実験を推進し、組織の機能と生体磁気の関係を明らかにする。人体において、脳細胞の機能評価に用いることができるかどうかについても、追加実験を行う。
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