2013 Fiscal Year Annual Research Report
学習科学を応用した21世紀型スキルを促進する教師教育プログラムの開発
Project/Area Number |
24240105
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
大島 純 静岡大学, 情報学研究科, 教授 (70281722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 功 静岡大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (40210067)
望月 俊男 専修大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (50379468)
稲垣 成哲 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70176387)
中山 迅 宮崎大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (90237470)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 学習科学 / 21世紀型スキル / 教師教育 |
Research Abstract |
本研究では,21世紀型スキルの獲得を目指した教授法を理解し,実践研究を継続的に展開する能力を備えた教師の育成のために,学習科学研究のこれまでの成果を踏まえた教材と,それを用いた具体的な教職科目・教科教育科目のコースウエアを開発する.これを用いることで,教職課程の科目全般に,学習科学のエッセンスを提供することができ,各担当教員が自分たちの授業実践に部分的に導入することができる.本申請期間中には,大学 での授業実践研究を通して,開発する教材の効果の検証を行い,最終的には広くインターネットを通して関連する高等教育機関で利用可能な電子教材を提供する.国内の学習科学研究者の研究グループ(教職科目班,教科教育班)を構築し,国際的共同研究者との議論を通して各科目のコースウエアを開発する. H24年度に設計した授業を実践し,その効果をベースライン実践との比較で検証した.比較分析には,H24年度の前期から検討してきた新しい学習活動を評価する観点を利用した.第一に,教授内容の最終理解を最終レポート,あるいは成果物などを確立した観点から複数名が独立に評価し,その一致率( α係数)を検討した上で数量化して条件間比較を行った.第二に,設計した教材,活動,課題がその効果をどのように導いたのか,学習者の対話分析から検討した.事例の詳細な対話分析を実施すると同時に,申請代表者がこれまで基盤研究Bで開発した対話のネットワーク分析ツールを用いた指標化を試みて条件間比較を行った. その結果,各研究班において,昨年度の実践からの大きな改善が見られ,それを来年度以降に反映することとした.特に,総括的な評価と学習プロセスの形成的評価を総合的に判断するmulti-methodが有効であることがわかり,今後その確立と安定した利用を検討することとした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
各研究班の授業設計実践研究の成果から,それぞれ著しい改善が見いだされており,その一部は国際的な学会において採択されるようになっている.また,国内においても学会や多くの実践者の研究会において,その成果を反映した研修プログラムも平行して展開することもできており,社会的な反響も大きい.
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Strategy for Future Research Activity |
授業実践研究の方法論について,この二年度間の成果より新たに表手法についての知見が得られている.教職科目班においては,今後の学習指導要領へのOECDのPISAなどに基づく21世紀型スキルがどのように反映していくのかをreviewしつつ,実践者にわかりやすい説明を可能とする授業設計指針が,開発する科目の中に位置づけていかれるような方向性を模索する.また,教科教育法班については,世界的にその理論が重視されてきている学習の軌跡(Learning Trajectoryあるいはlearning Progressions)に基づく,単元間の系統性について実践者が意識できる付加的な説明を考慮した授業の設計が必須であり,その方向性について研究班の間で確認をとりつつ来年度の実践の開発に臨む.
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