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2012 Fiscal Year Annual Research Report

時系列メタゲノミクスでみる西部北太平洋亜寒帯・亜熱帯海域の微生物群集動態

Research Project

Project/Area Number 24241002
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (A)

Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

浜崎 恒二  東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (80277871)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 高見 英人  独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋・極限環境生物圏領域, チームリーダー (70359165)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2016-03-31
Keywords西部北太平洋 / 時系列観測 / 微生物 / 多様性 / メタゲノミクス / 細菌 / 古細菌
Research Abstract

本研究では,西部北太平洋亜寒帯及び亜熱帯海域の時系列観測定点において,微生物群集構造の季節的な変動と,これら微生物群集が持つ代謝機能の多様性や特徴を明らかにすることを目的とした.全6回の「みらい」航海によって,亜寒帯K2及び亜熱帯S1の観測点で異なる季節に採集された微生物群集DNA試料のうち,予備解析として夏と冬の試料を用いて,16SrRNA遺伝子クローンライブラリ法による細菌及び古細菌群集構造解析を行った.夏冬それぞれ2点,3層(0, 300, 2000m)の水を,付着画分と自由生活画分に分けた全24試料について,細菌と古細菌群集の解析を行った.約1000クローンの塩基配列を決定した結果,細菌群集は12門(272 OTUs)に分類された.自由生活画分で顕著に見られたのは,SAR11系統群で,S1とK2の両観測点の全水深から検出された.一方,付着画分の優占微生物種は水深によって異なっていた.古細菌群集は,2門に分類され,Euryarchaeota門MG2系統群は表層で大きな季節変動を示し,MG3系統群は付着画分で多く見られた.また,本研究により,海洋表層から深層における自由生活画分および付着画分の微生物群集構造や多様性が,冬期と夏期で大きく変動することがはじめて明らかとなった.以上の成果は,本年3月のブルーアースシンポジウム及び海洋学会シンポジウムで発表し,さらに9月の国際会議(水圏微生物生態学シンポジウム)で発表予定である.また,メタゲノム代謝・複合系モジュ-ル解析についても解析手法の検討を進め,共同研究者が外部からデータにアクセスすることが可能なグラフィカルユーザーインターフェイスなど,解析システムの構築を行った.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

当初計画では,454パイロシーケンサーを用いた16SrRNA遺伝子ディープシーケンス及びメタゲノム解析について,本年度に方法論的な解析を行い,次年度に本格的な解析に着手する予定であった.方法論的な検討が順調に進んだことから,本年度にサンプル調整と実際のシーケンスまで前倒しで着手することができた.

Strategy for Future Research Activity

(1)16SrRNA 遺伝子PCR 増幅,ディープシーケンス:春夏秋冬の航海で,観測点2 点,5 層,付着画分,自由生活画分があるため,DNA解析用試料は80サンプルとなる.これらの試料よりDNA を抽出後, 細菌と古細菌それぞれについて16SrRNA 遺伝子ディープシーケンスを行うことにより,微生物群集構造の季節的な変動を明らかにする.
(2) メタゲノム代謝・複合系モジュ-ル解析:上記4 回の航海で得た表層海水試料のメタゲノム配列解読,モジュ-ル解析を本格的に実施する.DNA抽出後,ロッシュ社製の454シーケンサーを用いて配列解析を行う.454では1回の分析で500-600塩基の配列が120万リード産出されるが,これを4分割で2回分析し,各サンプルにつき60万リードのデータを得る.産出された配列データのアセンブル,遺伝子配列予測,完全長もしくは部分遺伝子の場合は30アミノ酸(90塩基)以上の遺伝子をKEGG代謝・複合体モジュール解析に供する.予測された遺伝子配列が,一連の代謝反応を構成する遺伝子群(モジュール)をどの程度充足しているかを計算する.モジュール遺伝子が全て存在すれば(代謝充足率100%)、その代謝機能を担う微生物が存在すると判断できる.さらに、各モジュールを充足した遺伝子の由来生物種を調べることができるので、同じ代謝を担う生物種の違いにも着目した解析を行う.

  • Research Products

    (4 results)

All 2013 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] Evaluation method for the potential functionome harbored in the genome and metagenome2012

    • Author(s)
      Takami, H., Taniguchi, T., Moriya, Y., Kuwahara, T., Kanehisa, M., & Goto, S.
    • Journal Title

      BMC Genomics

      Volume: 13 Pages: 699

    • DOI

      10.1186/1471-2164-13-699

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 西部北太平洋中深層における懸濁粒子付着微生物の群集構造解析2013

    • Author(s)
      金子亮・内宮万里央・福田秀樹・鈴木翔太郎・小川浩史・永田俊・浜崎恒二
    • Organizer
      日本海洋学会春季大会シンポジウム
    • Place of Presentation
      東京海洋大学
    • Year and Date
      20130321-20130321
  • [Presentation] 西部北太平洋における微生物群集の時空間変動2013

    • Author(s)
      金子亮・内宮万里央・福田秀樹・鈴木翔太郎・小川浩史・永田俊・浜崎恒二
    • Organizer
      ブルーアース
    • Place of Presentation
      東京海洋大学
    • Year and Date
      20130315-20130315
  • [Presentation] Temporal dynamics of the microbial comunity structure in dark ocean of the western north pacific2012

    • Author(s)
      Kaneko, R., Uchimiya, M., Fukuda, H., Suzuki, S., Ogawa, H., Nagata, T., Honda, M., Hamasaki, K.
    • Organizer
      14th ISME meeting
    • Place of Presentation
      Copenhagen
    • Year and Date
      20120819-20120824

URL: 

Published: 2014-07-24  

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