2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24241007
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
藤田 秀二 国立極地研究所, 研究教育系, 准教授 (30250476)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 氷床コア / 南極氷床 / 気候変動 / フィルン / 変態 |
Outline of Annual Research Achievements |
フィルンの微細構造発達の調査として、①氷と空隙の幾何学形状、②粒径、③密度、それに、④結晶主軸方位の計測の計画をしていた.平成24年度および平成25年度には、結晶主軸方位の製造会社での開発の遅延から、この計測は後まわしとした.結果的に導入は平成26年3月となった.①~③の新規計測を優先して研究をすすめた.ミリ波をを用いたフィルンの微細構造発達の調査を特にすすめた.初年度中の研究により、この手法の重要性・有効性が確認できていたため、これまでに極域で採取した試料やを用いた計測によりデータの蓄積、それに、これまで蓄積したデータを用いて考察作業を行った.計測データを分析し、考察と論文化にエフォートを注ぐ体制をとった. 主として使用した計測機器やノウハウとしては、① 開放型マイクロ波共振器を用いた誘電率テンソルの計測、② ガンマ線透過法を利用した高空間分解能密度計測、③ 近赤外光学反射ラインスキャン計測であった.フィルンの3次元幾何構造の研究について、北見工業大学の連携研究者が維持する計測系を用いて実施するとして計画をしていた.これについては、平成26年度に別途研究予算で国立極地研究所に同装置を導入できる目処がでたため、平成26年度の実施にまわした. 平成25年度に研究代表者がおこなったアクションを以下に要約する. (1)南極氷床で採取した雪氷試料に対し、各種計測手法を用いた計測.データを揃える作業継続してすすめた. (2)連携研究者も含めデータ検討を実施し、それ以降の計測プランへのフィードバックをおこなった. (3)国内外の学会で研究経過を関連研究者に示し議論をしたほか、研究成果についての論文執筆を実施した.実際の論文化の大部分は、平成26年度となる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数挙げた実施項目のうち、大部分は着実に進捗したと考えている.製造会社による開発の予期せぬ遅れが発生し、結晶主軸方位分布の計測は遅れた.しかしながら、既存の研究試料と装置系を用いたデータ取得と蓄積、それに考察にかかる作業は着実に行い、研究成果の発表を続けている.フィルンの物理特性を用いて、南極氷床内陸積雪の気候シグナル形成の物理過程にかかる重要なデータを得つつある.この点で、全体としての進捗は、おおむね順調と自己評価する.
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Strategy for Future Research Activity |
本計画は、多岐にわたる手法を駆使してフィルンのもつ物理的な構造を解きほぐしていく計画である.機器が多岐にわたる点は、様々な視点から現象をとらえる利点をもつ.一方では、多数の手法の一部について、順調には運用できないがもつリスクがある.装置系整備・運用にかかる何らかハードウェアの支障を想定してきた.計測が実現できる部分、データの分析や考察ができる部分から順次着手する.装置系や計測の流れを最適化し、如何に効率的な研究を構築できるかという点に留意する.
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Research Products
(14 results)
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[Presentation] 南極氷床における超高エネルギーニュートリノ検出の為の氷電波減衰長の測定2014
Author(s)
小串勇太, 井ノ原祐介, 近匡, 清水裕, 近重悠一, 上條敏生, 千葉雅美, 安田修, 矢野浩之, 矢吹文昭, 内海倫明, 藤井政俊, 藤田秀二
Organizer
日本物理学会
Place of Presentation
日本物理学会第69回年次大会(東海大学湘南キャンパス)
Year and Date
2014-03-05 – 2014-03-05
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[Presentation] 第IX期計画における古環境研究観測~氷床深層掘削に向けた活動と地形地質調査~2013
Author(s)
本山秀明, 東久美子, 藤田秀二, 古川晶雄, 川村賢二, 川村賢二, 阿部彩子, 阿部彩子, 阿部彩子, 三浦英樹, 菅沼悠介, 野木義史, 奥野淳一
Organizer
第4回極域科学シンポジウム
Place of Presentation
東京都立川市 国立極地研究所
Year and Date
2013-11-12 – 2013-11-15
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