2014 Fiscal Year Annual Research Report
プラスチックおよびバイオ高分子のアップグレード化学リサイクル
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24241023
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
上村 明男 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30194971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉本 誠 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80322246)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 超臨界流体 / イオン液体 / プラスチック / セルロース / ソルビトール |
Outline of Annual Research Achievements |
合成および天然高分子の化学的アップグレードを目指した解重合法の確立を目指すために、超臨界流体およびイオン液体を使ったポリマーおよびモノマーの変換反応について多角的検討を行い、下記の結果を得た 1.前年度までの超臨界アルコールを使ったポリアミドのヒドロキシカルボン酸への直接変換反応の化学的展開を目指し、天然由来のα―アミノ酸に対する変換反応を検討した。その結果,反応の過程における生成物を単離し、スペクトル分析を駆使することで特定した。この検討により、ポリアミドなどからの新たな物質変換反応の開発につながる展開を見いだした。またポリアミドの反応の変換反応のメカニズムに対して知見を深めることができた。 2.イオン液体中でのソルビトールのイソソルビドへの変換反応を、イオン液体中、酸触媒とマイクロ波加熱を用いることで、きわめて迅速活高効率に実施する方法を見いだした。すなわち、ソルビトールを触媒量のトルエンスルホン酸を添加することで、マイクロ波加熱を10分するだけでイソソルビドを60%以上の収率で得られることを見いだした。イオン液体は回収再利用でき、新たな高効率バイオマス変換反応を開発できた。 3.リポソーム膜に複合化させたセルラーゼによるイオン液体共存下の不溶性セルロース糖化反応の高効率化について検討した。荷電脂質を含有するリポソーム内のセルラーゼの糖化活性は,双性脂質のみから構成されるリポソーム系に比べて,48 hの反応後期において安定に維持される傾向が認められた。すなわち,酵素法における問題点の一つである生成糖による酵素の活性阻害が荷電脂質膜内で抑制される可能性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年までの成果を活用して、これを元にモノマー生成物の高効率変換をとおした新しいアップグレード反応を見いだすことができた。これらはバイオマスや合成高分子の化学リサイクルに向けた新しい方法論を提供できるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度で得られた成果を元に、これまで検討を行っていない、ポリマーや対応するモノマーに対する化学変換反応の検討を行い、本年度できなかった、グルコースの変換やリグニンの効果的分解についても検討を進める。
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