2012 Fiscal Year Annual Research Report
材料工学と細胞生物学の融合による魚鱗コラーゲンマテリアルテクノロジーの構築
Project/Area Number |
24241044
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
生駒 俊之 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (20370306)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 順三 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (10343831)
田中 利明 東京工業大学, 生命理工学研究科, 助教 (40263446)
吉岡 朋彦 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (50452016)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | ナノ機能材料 |
Research Abstract |
本研究課題では,材料工学的に魚うろこの階層構造と類似したコラーゲン線維配向層状構造の構築並びに細胞生物学的に細胞が産出するコラーゲン線維配向形成及びその構造変換物質の探索を目的としている.本年度は,流れ場中におけるコラーゲン線維形成を評価した.ティラピアのうろこから抽出したアテロ化コラーゲンを用い,流れ場中におけるコラーゲン線維形成並びに配向性に関して検討した.コラーゲン溶液をいれた容器の角度を10度傾け,これを左右に周期的に傾斜させることで流れ場を作製した.底面部の温度及び容器内に設置したガラス表面の温度を制御した.配向性が最も高い値を示した条件は,底面部の温度が35℃で周期時間が3.6秒/サイクルであることを見出した.また、基板とコラーゲン分子との相互作用力が重要であることを示唆していた. 一方,実験モデルとして金魚から採取した鱗をそのまま培養し基質形成細胞の増殖能等を検討した.24時間培養すると細胞がシャーレ上に広がるが,長期培養(一ヶ月)では増殖しなかった.すなわち,得られた鱗基質形成細胞は細胞密度が粗になると死滅すること並びに増殖停止期であるG1期の細胞割合が70% 以上であることを明らかとした.さらに,鱗基質形成細胞の株化に取り組んだ.SV40ウィルスのLarge T抗原を定常的発現ベクターのEF promoter下流にのせ,Lipofectamine2000 を用いて鱗基質形成細胞に導入した.培地にG418を加えることにより,ネオマイシン耐性遺伝子を指標として安定的導入細胞の選別を行った.遺伝子導入効率は約10% 程度であった.このことは,G418処理を継続することで細胞密度が粗となり,全ての細胞が死滅したと考えられる.G418の添加と除去を繰り返すことで,徐々に安定的導入細胞の割合を増やし株化に成功した.今後,株化細胞を用いた線維配向の構造変換物質探索を行う.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(理由)当初予定の配向構造作製,並びに鱗基質形成細胞の株化に成功しており,おおむね順調に研究は進展している.
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度以降,流れ場発生方法にポンプによる流路へと変更することで,さらに配向性を高めたコラーゲン線維構造を構築する.また,コラーゲン分子の糖鎖との関連を明らかにする.一方魚鱗には,形態・増殖能・運動能といった性質が全く異なる細胞種が予想外に多数存在していることを新たに見出した.この結果から,各細胞の単離法・同定法・培養条件を再検討する必要が生じたため,H24年度研究費の繰り越しにより補助員を増員し,研究を深化させることとした.
|
Research Products
(9 results)
-
-
[Journal Article] Critical role of farnesoid X receptor (FXR) for hepatocellular carcinoma cell Proliferation2012
Author(s)
Tomofumi Fujino, Airi Takeuchi, Akiko Maruko-Ohtake, Yosuke Ohtake, Junichi Satoh, Tomonori Kobayashi, Toshiaki Tanaka, Haruka Ito, Ryosuke Sakamaki, Ryo Kashimura, Ken Ando, Tomoko Nishimaki-Mogami, Yasuhito Ohkubo, Naomi Kitamura, Ryuichiro Sato, Kiyomi Kikugawa, Makio Hayakawa
-
Journal Title
Journal of Biochemistry
Volume: 152
Pages: 577-586
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
[Presentation] Analysis of the Xenopus laevis J-strain genome by BAC end sequencing, FISH, and RNA-sequence.
Author(s)
S. Takahashi, A. Toyoda, Y. Kuroki, Y. Uno, Y. Izutsu, A. Suzuki, T. Michiue, H. Ogino, H. Ochi, T. Tanaka, A. Fukui, Y. Ito, N. Ueno, M. Asashima, Y. Matsuda, M. Taira, A. Fujiyama
Organizer
The 14th International Xenopus Conference
Place of Presentation
Giens Peninsula. South of France
-
-
-