2014 Fiscal Year Annual Research Report
高分解能衛星SAR画像と地理空間情報の融合による災害把握技術の革新
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24241059
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山崎 文雄 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50220322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越村 俊一 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (50360847)
松岡 昌志 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (80242311)
三浦 弘之 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30418678)
丸山 喜久 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70397024)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | リモートセンシング / 津波 / 高分解能SAR衛星 / 地殻変動 / 被害把握 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,災害前に取得された光学センサ画像,数値標高(DEM)データ,GISデータなどの空間基盤情報と,事前・事後に得られる合成開口レーダー(SAR)衛星画像を組み合わせた建物被害,浸水域,地殻変動などの抽出手法を開発し,事例解析によりその精度を検証することを目的としている.今年度は,2011年東北地方太平洋沖地震において発生した地殻変動に関して,無被害建物の位置変化から3次元の移動量を検出する手法を提案し,面的な分布推定を行った.TerraSAR-X衛星画像の位置情報を直接的に利用することで,干渉解析では得られない絶対変位を得ることができ,津波によって地表面が激しく変化した地域においても変位の検出が可能であった.また,災害予測ための基礎データとなる都市域の高層建物の高さに関して,高解像度干渉SAR画像とGIS建物輪郭データを用いて抽出する手法を検討した. アメリカ合衆国のサンフランシスコ市の高層ビル群を対象地域として,TerraSAR-Xの干渉画像を作成して,干渉縞の理論式から位相差と位相ラップ点の間隔に注目した建物の倒れ込み範囲の抽出を行った.さらに,GIS建物輪郭を用いて建物の倒れ込み量を決定し建物高さを求めた.抽出結果の精度は平均誤差6.1mであり,高層建物の高さ推定としては高い精度であった.一方,周辺の構造物や建物の形状によって抽出誤差が大きくなることも確認された.このほか,航空機搭載のPi-SAR-L2の多偏波画像を用いて,宮城県名取市と岩沼市の沿岸部を対象に土地被覆分類に関する検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究に必要な衛星画像データも購入し,被災地調査を実施したことで貴重な現地データを入手することができ,より詳細な比較・検討を行っている.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの成果に基づき,災害前後のSAR画像に加えて,光学センサ画像と地理空間データを併用して,被災地域と被災程度を早期に推定する手法を提案する.
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Research Products
(12 results)