2012 Fiscal Year Annual Research Report
分子標的創薬に向けたリン酸化ネットワーク基盤の解明
Project/Area Number |
24241062
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石濱 泰 京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (30439244)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 直幸 京都大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (50545704)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | プロテオーム / シグナル伝達 / リン酸化 |
Research Abstract |
7割以上のヒトタンパク質はリン酸化修飾を受けていることが、独自の手法により、初めて明らかとなった。しかし、それぞれのリン酸化修飾を担うキナーゼまでわかっているものは数%程度しかなく、シグナル伝達ネットワーク解析の障害となっている。本研究では細胞内リン酸化ネットワークの分子基盤を解明することを目的とし、組換えキナーゼと組織細胞抽出物を用いたin vitroリン酸化反応解析・相互作用解析に加え、様々なキナーゼ 阻害薬やキナーゼsiRNAによって撹乱されるin vivoリン酸化ネットワークの選択的変動をプロテオーム規模で解析することにより、リン酸化ネットワーク構成分子の相互関係を明らかにする。H24およびH25前期は(1)摂動による細胞内リン酸化変動データの大規模取得、(2) 組換えキナーゼを用いたin vitro リン酸化解析、(3) リン酸化ネットワークマップ作製のためのデータマイニングを行った。(1)では9種の分子標的薬を用いて検討を行った。質量分析計の日間変動が激しく、分子標的薬による効果が埋もれてしまうケースもあったが、様々なパラメータを最適化することにより、安定した測定が可能となってきた。(2)については、より多くのキナーゼ(変異体も含む)に対してデータを取得した。さらにリン酸化率を定量するための測定系の構築も行った。(3)についてはサポートベクターマシンを用いたキナーゼ基質相関の予測器の構築を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
測定機(質量分析装置)の故障で、大規模データの取得計画が少し遅れ気味であるが、その他の部分はおおむね計画通り進行しており、研究全体において大きな問題はない。
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、(1)摂動による細胞内リン酸化変動データの大規模取得、(2) 組換えキナーゼを用いたin vitro リン酸化解析、(3) リン酸化ネットワークマップ作製のためのデータマイニングを行う。(1)については、引き続きキナーゼ阻害薬およびキナーゼsiRNA 摂動実験を展開する。変動が顕著でない場合や、感度が悪い場合には、細胞をあらかじめ各種ホスファターゼ阻害薬で処理し、細胞内リン酸化を活性化させた状態から摂動実験を行うことも検討する。また、キナーゼ阻害薬以外の標的分子を有する薬剤についても、そのリン酸化ネットワークに及ぼす影響をスクリーニングする。(1)(2)で取得されたデータを順次マイニングしてゆき、ネットワーク構築を開始する。それとともに摂動の種類間でのクラスター解析もすすめ、標的分子の類似性についても検討する。別に、リン酸化プロファイルを構成する具体的な分子情報を切り離して、摂動のfingerprint としてリン酸化プロファイルを用いる方法もバックアップとして検討する。
|
Research Products
(11 results)
-
-
[Journal Article] LATS1/WARTS phosphorylates Myosin Phosphatase-Targeting Subunit 1 to counteract Polo-like Kinase 12012
Author(s)
Chiyoda T, Sugiyama N, Shimizu T, Naoe H, Kobayashi Y, Ishizawa J, Arima Y, Tsuda H, Ito,M, Kaibuchi K, Aoki D, Ishihama Y, Saya H, Kuninaka S.
-
Journal Title
J Cell Biol.
Volume: 197
Pages: 625-41
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
[Journal Article] Phosphoproteomic Analysis of Rhodopseudomonas palustris Reveals the Role of Pyruvate Phosphate Dikinase Phosphorylation in Lipid Production.2012
Author(s)
Hu CW, Lin MH, Huang HC, Ku WC, Yi TH, Tsai CF, Chen YJ, Sugiyama N, Ishihama Y, Juan HF, Wu SH
-
Journal Title
J Proteome Res
Volume: 11
Pages: 5362-75
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-