2013 Fiscal Year Annual Research Report
タウ蛋白不安定化剤による新しいタウオパチー治療戦略の構築
Project/Area Number |
24241076
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
萩原 正敏 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10208423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 賢介 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00437279)
細谷 孝充 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (60273124)
片岡 直行 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60346062)
武内 章英 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90436618)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 神経変性疾患 / タウオパチー / 化合物 / スクリーニング / 細胞 |
Research Abstract |
1)過剰リン酸化タウ蛋白質発現によるタウオパチーモデルマウスの作製:本年度は、繁殖可能なリン酸化タウ蓄積のモデルマウス系の構築を進めた。具体的には、マウスに対して急性ストレスを負荷することによって、脳内でタウのリン酸化を亢進させることに成功した。本モデルでは、リン酸化タウの亢進に加え、タウ蛋白質そのものの増加も認められた。本モデルは、タウを不安定化する化合物の評価系として活用出来ると期待される。 2)過剰リン酸化タウ蛋白質発現マウスの病態解析:タウオパチー様の表現型を示した遺伝子改変マウスは、そのほとんどが様々な異常により、致死となった。認められた異常としては、腫瘍、皮膚のただれ、発作などの行動異常、脱腸が目立って観察された。このような状態では、病態解析は難しいと考え、上記の急性ストレスモデルマウスでの解析に加え、行動異常、脱抑制、記銘や空間認知の障害などの解析が行えるように、慢性ストレスモデルの構築を進めた。 3)タウ蛋白質を不安定化する化合物のスクリーニング:本年度は、構築したセルベースシステムを用いて、研究室保有の低分子化合物ライブラリーを対象としたスクリーニングを行った。その結果、タウ蛋白質を減少させる幾つかの化合物を見出した。また、得られたヒット化合物からの合成展開を進め、これらの新規化合物の評価を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
タウ蛋白質を不安定化する新規低分子化合物の取得に成功し、さらにその化合物の血中安定性、脳内移行性が確認されていることから、モデルマウスを用いた生体内での解析が可能となった。また、急性ストレスによってリン酸化タウおよびタウ蛋白質を脳内で増加させることが可能であることから、化合物の生体内での薬効評価を行うことも可能となった。以上のことから、本研究は順調に推移していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
1)過剰リン酸化タウ蛋白質発現によるタオパチーモデルマウスの作製:遺伝子改変マウスに頼らないタウオパチー発症モデルマウスの構築を進める。具体的には、急性ストレス負荷による脳内タウリン酸化亢進モデルを用いた検討に加え、慢性ストレスを負荷することで、タウ蛋白質をより効率的に蓄積させる動物モデルの検討を進める。これらのモデルは、タウ蛋白質を不安定化する化合物の生体内での評価に用いる。 2)過剰リン酸化タウ蛋白質発現マウスの病態解析:上記モデルマウスを用いて、タウ蛋白質を不安定化する化合物の生体内評価を行う。具体的には、モデルマウスに化合物を投与し、その後の脳内でのタウリン酸化およびタウ蛋白質量を定量的に評価する。急性ストレスによって亢進するタウリン酸化が化合物投与によって抑制された場合は、慢性ストレスモデルを用いることで、行動解析等を進めることを検討する。 3)タウ蛋白質を不安定化する化合物のスクリーニング:これまでに得られたタウ蛋白質を不安定化する化合物について、主に医薬品候補化合物としての有効性を検証するための、体内動態解析や簡単な安全性試験などを進める。血中安定性、脳移行性についてのデータを取得し、それらを参考に、投与方法を検討する。また必要に応じて、化合物合成および構造展開を進める。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Topical antiangiogenic SRPK1 inhibitors reduce choroidal neovascularization in rodent models of exudative AMD.2013
Author(s)
Gammons MV, Fedorov O, Ivison D, Du C, Clark T, Hopkins C, Hagiwara M, Dick AD, Cox R, Harper SJ, Hancox JC, Knapp S, Bates DO.
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Journal Title
Invest Ophthalmol Vis Sci.
Volume: 54(9)
Pages: 6052-6062
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Inhibition of DYRK1A destabilizes EGFR and reduces EGFR-dependent glioblastoma growth2013
Author(s)
Pozo N, Zahonero C, Fernández P, Liñares JM, Ayuso A, Hagiwara M, Pérez A, Ricoy JR, Hernández-Laín A, Sepúlveda JM, Sánchez-Gómez P.
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Journal Title
J Clin Invest.
Volume: 123(6)
Pages: 2475-2487
DOI
Peer Reviewed
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