2014 Fiscal Year Annual Research Report
啓蒙期におけるフィクション使用の多様な形態と機能に関する総合的研究
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24242003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齋藤 渉 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (20314411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 敏郎 獨協大学, 外国語学部, 講師 (20624662)
隠岐 さや香 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (60536879)
久保 昭博 関西学院大学, 文学部, 准教授 (60432324)
後藤 正英 佐賀大学, 文化教育学部, 准教授 (60447985)
菅 利恵 三重大学, 人文学部, 准教授 (50534492)
武田 将明 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (10434177)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 啓蒙 / フィクション / 18世紀 / 思想史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究の3年目にあたっていたが、共同研究の成果を問う場として、日本18世紀学会の共通論題として「啓蒙とフィクション」を企画・実施した。コーディネーターを務めた齋藤渉による趣旨説明に続き、久保昭博「フィクション使用の動態構造─近年のフランスにおけるフィクション理論の展開」、大崎さやの「ゴルドーニ作品における「戦争」」、隠岐さや香「古典確率論の描く人間像と哲学的フィクションの関係」、武田将明「名誉革命とフィクション:ダニエル・デフォーの場合」の各発表があったが、多数の参加者による密度の高いディスカッションがおこなわれた。 この共通論題の討議を踏まえて一層発展させる形で、次年度に予定されている国際18世紀学会へのエントリー準備を進めた(エントリー受付済。「今後の研究の推進方策」欄を参照)。この過程で海外の研究者とのコンタクトも生まれ、2015年7月の国際会議では共同セッションも企画されている。 さらに、18世紀におけるフィクションの理論を考察する目的で、2015年2月28日には共同研究会を実施した。高田梓氏(東京大学)「ヴィーラント『アガトン物語』における虚構とナラトロジー――真実と虚構としての「生の模範」について」と桑原俊介氏(東京大学)「詩における真理・真実らしさ・可能性――アリストテレス、フランス古典主義演劇理論、ゴットシェート、スイス派をめぐって」という発表の後、科研共同研究のメンバーを交えた討議をおこない、知見を深めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本18世紀学会での共通論題は無事に実施し、研究期間前半(2012・13年度)の成果をまとめることができた。多くの参加者による討議を経て、これまでの考察を深める機会が得られたことも、大きな成果といえる。これにより、本研究が当初からかかげていた目標の一つを無事に達成することができた。 この成果を引き継ぐ形で、次の大きな目標である国際18世紀学会でのセッションも着実に準備が進んでいる。当初は予期していなかった海外の研究者の参加が得られたことも重要な進展であった。 18世紀のフィクション使用のさまざまな実例を考察するなかで、同時代の著作家・理論家たちがフィクションの現象をどのように考えていたのかという問題も検討する必要が出てきた。これについては、共同研究会を実施することで一定の成果を収めているが、今後も引き続き多くの機会を設けることで、研究を深めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究も最終年度を迎え、これまでの考察をさらに深めつつ、研究成果の発表を進めていきたい。 具体的には、1)国際18世紀学会の主催する第14回国際18世紀研究会議(オランダ・ロッテルダム・エラスムス大学、2015年7月27日~31日)に研究メンバー全員で参加し、2つの共同セッションで研究発表をおこなう予定である。武田将明を責任者とするセッション「Fiction and Perception: the Novel and the Theatre as Devices for the Enlightenment」では、久保昭博、大崎さやの、菅利恵が報告する。また、齋藤渉を責任者とするセッション「Enlightenment and Fiction」には、後藤正英、隠岐さや香、上村敏郎のほか、海外の研究者4名が参加し、討議をおこなう。この2つのセッションに向けて、6月末に報告の事前検討会を実施する予定である。 2)上記の事前検討会とあわせて、18世紀ドイツの小説理論に関する研究会を開き、18世紀におけるフィクションの理論化について知見を深めたい。 3)10月に開催される日本独文学会の研究発表会などを利用して、フィクション理論についてのワークショップを開催する計画を進めている。文学、哲学、美学などの多様な分野の研究者による専門的討議を目ざす。 4)国際18世紀学会の討議をふまえつつ、これまでの研究成果を論集としてまとめる企画も進行中である。
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Research Products
(17 results)