2012 Fiscal Year Annual Research Report
金融工学からERMへ: 基礎理論と実証に関する研究
Project/Area Number |
24243031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
斯波 恒正 一橋大学, 大学院経済学研究科, 特任教授 (90187386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石村 直之 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (80212934)
田中 勝人 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (40126595)
本田 敏雄 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (30261754)
黒住 英司 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (00332643)
山本 庸平 一橋大学, 大学院経済学研究科, 講師 (80633916)
石原 庸博 一橋大学, 大学院経済学研究科, 講師 (60609072)
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Project Period (FY) |
2012-10-31 – 2016-03-31
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Keywords | 金融工学 / 計量経済学 / 統合リスク管理 / 計量的リスク管理 / フラクショナル・ブラウン運動 / 時系列 / 倒産確率 / コピュラ |
Research Abstract |
本年平成24年度には、研究の第1段階として現在国際的に行われている統合的リスク管理(ERM)に関する研究動向を調査し、その内容を共有することを主に行った。特に欧州での先進的な動向を見極めるため、研究代表者や研究分担者がフランクフルト、ブリュッセルで行われた国際会議に出席し研究状況の把握につとめた。また、北米やオーストラリアでの研究動向の調査も行った。 個別の内容では、フラクショナル・ブラウン運動の研究においては、理論を統計学的観点から検討を行い、特に統計量としてよく使われる2次汎関数の分布特性を調べた。さらに、フラクショナル・ブラウン運動を誤差項にもつような確率微分方程式に対する確率解析を統計学の視点から考察し、推定問題や検定問題に取り組んだ。連接分布関数 (Copulaコピュラ) の研究では、その概念の拡張と解析を行った。リスク事象間の相関を表すコピュラに対して、時間依存を含めるよう考案されたコピュラの時間発展方程式の研究を多次元の場合に深化させた。この時間依存の考えを既存の研究の流れの中に位置付けるための調査も行った。金融時系列データの研究では、各種の「閾値」モデルにおける閾値の設定や閾値数の設定に焦点を当てて包括的な展望を行った。いわゆる「Implied」な倒産確率やボラティリティーに対する統計モデルの研究では,理論の高度化に取り組んだ。関連するデータ解析を行うことにより、実証面で主に金、スプレッドからの倒産確率を、誤差を正しく評価しながら推定すべく研究を進めた。 平成25年3月には、台湾から著名な研究者を招き、国内の研究者とともにERMの研究に関わる研究集会を開催し、今後の方向性を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
統合的リスク管理の学術研究の第1段階とし、十分な研究動向調査と資料の収集を行うことができた。今後の研究成果につながる重要な契機を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に成果を得ていることもあり、今後の研究課題遂行の方策に特に変更を認めない。特に、現在の研究の進展に照らせば、統合的リスク管理の学術的研究をさらに深化させる。
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Research Products
(17 results)