2013 Fiscal Year Annual Research Report
小売企業における加速的成長のための基盤構築に関する研究
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24243050
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| Research Institution | Kobe University |
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Principal Investigator |
南 知惠子 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (90254234)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 公彦 小樽商科大学, 商学研究科, 教授 (10205552)
平野 光俊 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (10346281)
金 雲鎬 日本大学, 商学部, 准教授 (10410383)
松尾 睦 北海道大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (20268593)
高嶋 克義 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (30197090)
坂川 裕司 北海道大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (40301965)
猪口 純路 小樽商科大学, 商学研究科, 准教授 (40405486)
西岡 健一 関西大学, 商学部, 准教授 (40553897)
森村 文一 京都産業大学, 経営学部, 助教 (80582527)
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| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | マーケティング / 流通 / 経営組織 / 国際経営 |
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| Research Abstract |
本研究は、小売企業の加速的成長について、成長を支える組織基盤の構築プロセスに注目し、前提条件から戦略策定、組織行動、成果に至る因果モデルの構築・検証、および、加速的成長のための基盤構築プロセスの類型化を行うことを目的とするものである。
H25年度は、小売業における加速的成長という現象について、国内外の急成長を遂げている小売り企業、数社について、製造小売り企業を含め、成長戦略についてＭＤ（商品政策）と出店戦略、および組織構成、サプライチェーン・マネジメントの観点から詳細な事例研究を行った。調査対象としたのは、福島に本社をおく製造小売り企業、宮崎に本社をおく小売り企業、スペイン、マヨルカ島に本社をおく製造小売り企業本社と日本オフィス、日本での合弁企業で流通企業である。その分析結果から、市場情報収集に基づいてＭＤおよび供給体制を連動させる製造小売り企業がある一方で、グローバル展開においてＭＤおよび店舗運営の標準化の程度を高める一方で標準化に依らない出店戦略を組み合わせ、規模拡大を行っているタイプのビジネスシステムが機能することが明らかになった。
また、研究分担者は日本の小売企業を対象とする質問票調査のデータを用いて，小売企業における組織構造に焦点を合わせた実証分析を行った。その分析結果から，組織構造が集権的な組織になるほど，取引行為の予測可能性が高まることでホールドアップ問題が回避され，卸売企業や製造企業などのベンダーが個別適応的な商品企画や販促企画の提案を行う傾向にあること，および，バイヤーが仕入活動において情報システムを活用する状況では，バイヤーがスタッフ部門による後方支援を得られるほど，業務改善への取り組みが促進されることなどを明らかにした。これらの分析結果から，加速度的成長を支える小売企業のＭＤ戦略の組織的条件を中心に解明した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は事例研究と実証研究とを両方実施することができた。事例研究は研究目的にしたがった理論サンプリングと言われる手法に基づき、加速的成長を遂げている小売り企業、および製造小売り企業に対して、トップマネジメントおよび多様な階層へのインタビュー調査を実施できたことは、研究上の大きな成果であった。なぜなら戦略的に意思決定を行い、組織についての全てを掌握している立場からの一次情報の入手は、研究目的を遂行する上で重要な意味があるからである。
また質問紙実施において、小売り企業の成長要因と考えられる組織構造の違い、加速的成長を支えると想定される仕入れ活動に影響を与えることが実証されてことにより、研究目的の重要な一部が明らかになったのは成果であるといえ、概ね順調に進んでいると判断できる。
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| Strategy for Future Research Activity |
４年間の研究計画の中で前半を終了し、小売り企業の加速的成長と組織的基盤について理論的に検討してきたことが、事例研究や実証研究を通じて、分析フレームワークの形成につながっているということが言える。今後は分析フレームワークを精緻化し、それにしたがって比較的大規模な実証研究（6000件超の調査対象者に質問紙を配布予定）を実施予定である。
小売り成長を促進する組織的要因は仮説的に特定化されてきており、それらの測定変数および測定尺度についての議論を研究分担者どうしで進めており、調査対象企業および対象部門、階層についての検討も行った。今後は、この質問紙調査を遅滞なく進め、データ収集と分析に入る予定である。
研究の推進方策としては、研究分担者との討議を行うための場の設定のために年３回程度研究会を実施し、確実に研究の進捗が諮れるように計画している。
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