2012 Fiscal Year Annual Research Report
「世代とジェンダー」から見た少子高齢化社会に関する国際比較研究:フェーズII
Project/Area Number |
24243059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
阿藤 誠 早稲田大学, 人間総合研究センター, 招聘研究員 (90409699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 亘孝 青山学院大学, 社会情報学部, 教授 (40415831)
津谷 典子 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (50217379)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 社会学 / 人口学 / 家族 / 婚姻 / 出生 |
Research Abstract |
(1)平成24年度は、平成25年度に実施する『結婚と家族に関する国際比較調査(第四次調査)』の準備が主要な課題であった。このために、まず、平成25年度に実施予定の第四次調査の予備調査を実施した。続いて、予備調査の回答者と調査員に対してヒアリングを行い第四次調査の問題点を包括的に検討した。具体的には、非回答項目などを吟味するとともに、このヒアリングの結果に基づいて、調査票、調査項目、調査デザイン、調査実施プロセスについて改良し、調査回答者の負担をできるだけ軽減させた。さらに、国連ヨーロッパ経済委員会人口部が提示した第四次調査票の内容との互換性にも配慮しつつ、最終的な第四回調査の調査票の確定作業を行った。 (2)他方で、第一回調査からのデータを包括的に用いた分析も行った。その成果は、パネル・データならびにGGP(Generations and Gender Project)プロジェクトに参加するヨーロッパ諸国のデータを用いた家族形成、出生行動、世代間関係などに関する論文2本、学会報告9本として結実し、関連する国内外の学会で発表した。 (3)GGPコンソーシアムと国連ヨーロッパ経済委員会人口部が主催する国際会議(ストックホルム、スウェーデン)に出席し、他国より先行している日本の第三次、第四次の『結婚と家族に関する国際比較調査(Generations and Gender Survey)』の進捗状況を報告した。また、第四回目の『結婚と家族に関する国際比較調査』の質問項目、調査デザインに対する日本側の見解、プランも提示した。同時に、GGP参加各国に対して日本が調査実施までに直面した問題点や改善策についての情報提供も行った。 (4)GGPコンソーシアムと議論、検討を行い、日本のコンテキスト・データを修正しGGPコンテキスト・データー班に再提供した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の主要な目的は『結婚と家族に関する国際比較調査(第四次調査)』を実施、分析するとともに、諸外国と協力しながら少子高齢化に対応した社会システムを構築するための政策的インプリケーションを提示することにある。 この観点からみると本研究課題はほぼ順調に遂行されていると言える。その理由は、第一に、これまでの当該調査の結果の精査と予備調査の実施によって平成25年度に実施する『結婚と家族に関する国際比較調査(第四次調査)』についての問題点が明確になり、これに対する改善策を得ることができた。これにより、『結婚と家族に関する国際比較調査(第四次調査)』をより洗練された形式で行うことが可能になった。第二に、国際会議に出席し、国連ヨーロッパ経済委員会人口部、ならびに、他のGGP参加諸国と情報交換を行った結果、国際比較の利点を生かした形で調査の実施と分析が行うことが可能になった。これにより、少子高齢化を経験している他の先進諸国と比較しながら、日本の少子高齢化の特徴を把握でき、より有益な政策的インプリケーションを引き出す可能性が高まった。 これらの点を総合的に考慮すると本研究は順調に遂行されていると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、『結婚と家族に関する国際比較調査(第四次調査)』を実施し、すみやかにデータのクリーニングを行い、分析を行う。調査の実施からデータの分析までの過程では個人情報の保護に細心の注意をはらうようにする。また、近年、社会調査では調査不能や調査拒否による回収率の著しい低下が危惧されている。このため、本研究の社会的意義を調査対象者に十分理解してもらい、『結婚と家族に関する国際比較調査(第四次調査)』の回収率が高まるように努力する。 加えて、GGPコンソーシアム、国連ヨーロッパ経済委員会人口部、他のGGP参加諸国と緊密な連携を保ち、国際比較の利点を生かした研究成果を生み出すように努める。そして、本研究の成果が日本ならびに諸外国の政策立案にとって有意義なものとなるように進めていく。
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Research Products
(11 results)