2014 Fiscal Year Annual Research Report
CCSゼーマン効果と理論計算を連携させた星形成における磁場の役割の研究
Project/Area Number |
24244017
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
中村 文隆 国立天文台, 理論研究部, 准教授 (20291354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 秀路 国立天文台, 野辺山宇宙電波観測所, 助教 (00222084)
小川 英夫 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20022717)
土橋 一仁 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (20237176)
亀野 誠二 国立天文台, チリ観測所, 教授 (20270449)
松本 倫明 法政大学, 人間環境学部, 教授 (60308004)
伊王野 大介 国立天文台, チリ観測所, 准教授 (60425402)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 星無しコア / 磁場 / 重力収縮 / ゼーマン分裂 / 数値シミュレーション / 星形成 / 分子雲 |
Outline of Annual Research Achievements |
星形成過程において未解明の問題は、コアの重力収縮過程において、磁場がどの程度、力学的に影響を与えるかを定量的に解明することである。その目的のため、平成25年度までに高感度の偏波受信機・偏波較正システムを完成させた。平成26年度はこの受信機を使って、CCSのゼーマン分裂を検出することであった。 研究代表者らは近傍の星形成領域おうし座分子雲にある星無しコアTMC-1に向けてゼーマン観測を実施し、CCSのゼーマン分裂を5シグマ以上の精度で検出することに成功した。結果の信頼性を高める観測・解析も行った。たとえば、装置起因の偏波成分が与える影響を調べるため、VLAで検出報告のあるOMC-2に向けたメタノールメーザーを使ったゼーマン観測を実行し、先行観測の結果を再現するゼーマン分裂を検出することに成功した。他のメタノールメーザー源でも同様の観測を行ったが、それらについてはゼーマン分裂は検出されなかった。この結果から、偏波較正手順はさほど問題がないことが確認できた。さらに偏波較正過程を検証するために、HC3N, HC5N等の他の分子輝線の観測も実行した。現在、データ解析を進めているところである。 また、TMC1以外に、L1495Bというコアに向けたCCSゼーマン観測も行ったが、積分時間不足でまだ有意なゼーマン分裂の検出には成功していない。次年度に観測をさらに進め、データの質を上げたいと思っている。 コアの重力収縮の数値シミュレーションについても、現在結果の最終まとめを進めているところである。磁場が強い場合でも磁場の拡散によってジーンズスケールで分裂することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
偏波較正過程のチェックをさらに進める必要があるが、TMC-1ではCCSゼーマン分裂が検出できたことが大きな収穫である。複数のコアに向けたゼーマン分裂の検出を進める準備が整った。 コアの重力収縮の数値シミュレーションについては、計算データは取得済みである。
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Strategy for Future Research Activity |
結果の信頼性を高めるため、様々な観点から、偏波較正過程のチェックを進める。それと同時に、複数の天体に向けたゼーマン観測を進める。 すでにターゲット天体の選定は完了している。 数値シミュレーションについては結果を論文にまとめる。 また、受信機の性能を記述した論文をまとめる。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Software Polarization Spectrometer "PolariS"2014
Author(s)
Izumi Mizuno, Seiji Kameno, Kano Amano, Makoto Kuroo, Fumitaka Nakamura, Noriyuki Kawaguchi, Katsunori Shibata, Seisuke Kuji, Nario Kuno
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Journal Title
Journal of Astronomical Instrumentation
Volume: 3
Pages: 16pp
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Cluster Formation Triggered by Filament Collisions in Serpens South2014
Author(s)
Fumitaka Nakamura, Koji Sugitani, Takahiro Tanaka, Hiroyuki Nishitani, Kazuhito Dobashi, Tomomi Shimoikura, Yoshito Shimajiri, Ryohei Kawabe, Yoshinori Yonekura, Izumi Mizuno, Kimihiko Kimura, Kazuki Tokuda, Minato Kozu, Nozomi Okada, Yutaka Hasegawa, Hideo Ogawa, Seiji Kameno, Hiroko Shinnaga, Munetake Momose, 他7名
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Journal Title
The Astrophysical Journal Letters
Volume: 791
Pages: 5pp
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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