2012 Fiscal Year Annual Research Report
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24244027
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 光廣 名古屋大学, 現象解析研究センター, 准教授 (90183889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 修 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 特任助教 (20377964)
中野 敏行 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (50345849)
小松 雅宏 名古屋大学, 教養教育院, 准教授 (80345842)
青木 茂樹 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (80211689)
渋谷 寛 東邦大学, 理学部, 教授 (40170922)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ニュートリノ振動 / タウニュートリノ / 原子核乾板 / 長基線実験 |
Research Abstract |
2012年度のニュートリノ照射と、蓄積されたニュートリノ反応の解析を行った。 照射した陽子数は2012年度は3.9×10^19個であり、総蓄積陽子数で18×10^19となり、実験提案書で承認されたものの8割に到達した。蓄積反応数は約17000反応であり、今年度解析した反応の総数はその約6割に到達した。 この中に2例の新たなタウニュートリノ反応を検出し計3個のタウニュートリノ検出となった。これらが確かにタウニュートリノ反応であり、背景事象によるものではない統計敵有意性は、反応のらしさをふくめた評価方法で3.8σとなり、いわゆるEvidenceをとらえたと行って良いレベルを越えた。 特に3例目の事象は、τ-がμ-へ崩壊したものであり、μ粒子の符号が-と同定できた事により、反タウニュートリノ反応による物ではなく確かにタウニュートリノが反応したものであることを確定した。このことにより、起こっているニュートリノ振動が、確かに牧・中川・坂田の提唱したフレーバーの振動すなわちミューニュートリノからタウニュートリノへの振動である事が明解になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定した照射ニュートリノ数の8割の照射を完了した。解析もほぼ予定通り進捗しており、あと2年で解析を終了出来る見込みである。また次世代の原子核乾板読取装置HTSの準備も進展しており、解析を加速できる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2013年度中に次世代の読み出し装置を投入し解析能力を強化し、統計的有意性5σのDiscoveryをめざす。また並行して地下で蓄積された宇宙線反応の解析を開始し、大気ニュートリノ反応の解析などにも解析の対象を広げ、地下で行われた史上最大規模の原子核乾板実験で可能な物理の探索を極める。
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Research Products
(18 results)