2013 Fiscal Year Annual Research Report
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24244068
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
笹井 理生 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30178628)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換アメリカ / 非断熱揺らぎ / クロマチン構造 / 遺伝子制御ネットワーク |
Research Abstract |
25年度には、24年度の成果をまとめ、論文として公表する仕事を行った(PNAS, 2013, PLOS Comp Biol 2013など)。さらに25年度には、多段階の非断熱揺らぎを含む超非断熱揺らぎの理論を検討し、平均場理論、数値計算により、断熱近似を適用した際には存在しない豊富な種類の状態間遷移経路の存在の示唆を得た。また、この結果を胚性幹細胞シミュレーションに適用するための準備が行われた。ゲノムMDの方法を発展させるために、実験データのバイアスを除く方法を検討し、その効果を検討した。また、出芽酵母のゲノムMDにより、遺伝子活性と遺伝子の核内空間配置分布との相関を示す結果を得て、さらに分析を続けている。ゲノムMDの方法をヒトゲノムに適用するための方法を開発し、染色体テリトリーの安定性、染色体テリトリー界面の性質などについて、予備的な結果を得ている。二倍体のゲノムMDに必要な、自己無撞着的計算法について種々の検討を行い、大規模計算のための準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子スイッチの非断熱揺らぎについて、新しい理論をまとめ、PNAS誌に公開した(Zhang et al., PNAS 2013)。また、ゲノムMDについて様々な理論的検討を加え、計算法を改良している。これらの結果は、複数回の国際会議で公表された。
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Strategy for Future Research Activity |
複数の遺伝子を含むネットワーク回路について、循環流の方法を用いた非断熱揺らぎの理論を展開し、胚性幹細胞の中心的な遺伝子を含む多数の遺伝子のネットワークに適用して、実験と比較可能な理論に改良する。この研究は、米国の理論グループや国内の実験グループとの連携により進める。また、多段階の非断熱揺らぎの効果について、数値計算と理論的解析を進める。出芽酵母のゲノムMDを展開し、実験との比較を進める。ヒトゲノムMDを実効し、ヒトゲノム構造揺らぎについての新しい解析法を提案する。
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Research Products
(10 results)