2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24244094
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
林 康明 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (30243116)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三重野 哲 静岡大学, その他の研究科, 教授 (50173993)
高橋 和生 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (50335189)
齋藤 和史 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70251080)
|
Project Period (FY) |
2012-10-31 – 2017-03-31
|
Keywords | プラズマ / 微粒子 / ダストプラズマ / 光計測 / 光散乱 / 核融合装置 / 偏光解析 / コンプレックスプラズマ |
Research Abstract |
レーザー光散乱を利用した微粒子観測技術および装置の開発とその応用についての研究を進めた。 光散乱偏光解析微粒子計測技術・装置の開発では、光検出器で検出される光強度を回転位相子の方位角の関数としてコンピュータに入力し、その関数をフーリエ変換した後、偏光解析パラメータを求めるExcel VBAによるプログラムを開発した。計測装置の信頼性を確かめるため、シリコンウェーハの表面反射における偏光解析パラメータを求め、理論通りの値が得られることを確認した。また、京都工芸繊維大学にある微粒子プラズマ実験装置に製作した偏光解析システムを設置して、微粒子計測の機能として問題がないことを確認した。 プラズマ内異径微粒子雲が作る構造と運動について調べるため、平行平板型高周波アルゴン定常プラズマ中に8 um程度の微粒子を導入し、その運動を長作動焦点レンズ付きビデオカメラで記録した。その結果、非結晶安定構造、微粒子の惑星型運動、微粒子のスピン運動が見いだされた。これは、プラズマ中の低周波振動が、微粒子の加速電場を生み、定常回転運動を駆動したものと考えている。 微粒子の温度(運動エネルギー)を評価するための光学系及び撮像系を構築した。レーザ光散乱よりも可視光後方散乱による観測の方が、微粒子の運動を適切に追随できることを示唆する結果が得られた。 高周波放電によって円柱状のコンプレックスプラズマを生成し、円柱軸方向に鉛直上向に永久磁石によって2 kG程度以下の磁場を印加した。磁場の印加によって微粒子集団は方位角方向の回転をし、さらに円盤の厚みや円盤中心から上向きに微粒子を放出するなど、多様な構造や運動をすることが明らかとなった。これらの構造や運動の制御は、中性ガス圧、磁場の大きさ、rfパワーによって可能であることが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、プラズマ実験装置、計測技術、および解析方法の開発と確立を進めることを主な目的とした。 これに対して、ミー散乱偏光解析法の基本技術の確立、長作動焦点レンズ付きビデオカメラを用いた微粒子の自転・公転運動の観測、微粒子温度を評価するための光学系及び撮像系の構築、磁場中の円柱状微粒子プラズマの方位角方向回転に伴う運動・構造の観測、などを行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
本学内にプラズマ装置壁からのダスト生成を模擬的に行うための高密度プラズマ装置や微粒子成長装置を作製し、それにミー散乱偏光解析装置を組み込んでダスト観測の可能性を調べる。 また、プラズマ中に異径あるいは異種の微粒子が混在した状態を生成し、微粒子周りの電位分布やプラズマ諸量を測定して、電場や重力場が微粒子の運動に与える影響について力学的に解析する。 微粒子温度の評価については、十分な空間分解能が得られるよう光学系を再構築し、温度の値を導出する。また、円筒状プラズマにおける微粒子の振る舞いを明らかにするため、イオン密度および電子温度の測定をダブルプローブにより実施する。 微粒子の磁場中での挙動については、導体障害物下流における個々の微粒子の軌跡追跡し、渦等の乱流構造が形成される条件を見出し、微粒子乱流の生成条件とその制御方法を調べる。 一方、共有の実験室を京都工芸繊維大学内に確保し、実験装置の共用や研究者どおしの討論や交流を促進して技術・情報の共有化を図り、研究全体の活性化と共に、目標に向けた研究を推進する。
|
Research Products
(23 results)