2012 Fiscal Year Annual Research Report
細胞夾雑系でも有効なタンパク質そのまま有機化学の開拓
Project/Area Number |
24245032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浜地 格 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90202259)
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Project Period (FY) |
2012-05-31 – 2015-03-31
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Keywords | 生命化学 / 細胞系反応 / 蛋白質 / ラベル化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、種々の生命現象の鍵を握る代表的な生体高分子であるタンパク質を、試験管内だけでなくin cellやin vivoなどより生体そのままの環境でも特異的かつ任意に修飾・変換(ラベル化)できる新規な化学的方法論の構築、さらに進んで、それを基軸とした生細胞という夾雑系での精密有機・生命化学という新しい研究領域の開拓に資することである。具体的には(1)認識と反応のカップリングによって水中/温和な条件で進行する有機反応の探索、(2)精製タンパク質を反応基質とした試験管レベルでのラベル化反応の評価と定量的で精密な構造・機能解析、ついで(3)これらを生きた細胞系での標的タンパク質選択的反応へと展開する。さらに、(4)ここで開発した化学ラベリングを基盤としたタンパク質の細胞・生体系での構造・機能解析ひいては人工機能化を行い、単離精製したタンパク質と細胞内タンパク質の構造・機能に関する実験データ獲得し、直接比較する。本年度は、これまで我々が独自に開発してきたトシル基を用いるリガンド指向性トシル化学によって、細胞内FKBP12に光架橋可能な官能基を導入し、そのまま生細胞内で、蛋白質/蛋白質相互作用を解析する事ができることを実証した。これは、生細胞系でのケミカルラベルが、単にイメージングだけでなくより多様な方向での応用の可能性を示した重要な成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的である、種々の生命現象の鍵を握る代表的な生体高分子であるタンパク質を、試験管内だけでなくin cellやin vivoなどより生体そのままの環境でも特異的かつ任意に修飾・変換(ラベル化)できる新規な化学的方法論の構築に関して、これまでの我々独自の方法論であるリガンド指向性トシル化学の応用の広がりを示しつつある点で、またこれまでにない、新しい反応基を用いたリガンド指向性アシルイミダゾール化学に関して足掛となる成果が出てきつつある点などを踏まえると、ほぼ1年目の目標は達成されたと判断できると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
2009年度に開発した生細胞でタンパク質を選択的にラベル化できるLDT化学とは異なる反応性を有する化学として、リガンド指向性アシルイミダゾール化学を新たに見出した。しかし、リガンド指向性アシルイミダゾール化学は、まだ開発して間もないため不明な点が多い。適用の一般性を実証するためには、どのアミノ酸が反応するのか、近接効果による反応加速はどこまで可能か、細胞内ではどのくらい少量のタンパク質までラベル化可能か、試験管と細胞系でラベル化効率はどの程度異なるか、など不明な点が多く、これらの点を可能な限り定量的に、適用できる蛋白質の一般性を含めて、明らかにしていく方針である。それらに向けて、存在量と局在が異なる炭酸脱水酵素CAと葉酸受容体FR、ジヒドロ葉酸還元酵素DHFR、膜タンパク質(膜受容体タンパク質)を、当面のモデル蛋白質として用いて、試験管でのラベル化および過剰発現系も出る細胞系でのラベル化の精密な検証・比較を行い、リガンド指向性アシルイミダゾール化学の特徴や限界をより明確に実証する方針で考えている。
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Research Products
(4 results)