2012 Fiscal Year Annual Research Report
巨大誘電率をもつ酸窒化物ペロブスカイトにおける機能化プロセシング
Project/Area Number |
24245039
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉川 信一 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10127219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本橋 輝樹 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00323840)
鱒渕 友治 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80466440)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 酸窒化物 / ペロブスカイト / 誘電体 / 結晶構造 / 焼結 |
Research Abstract |
BaTiO3やPLZTなどに代表される酸化物ぺロブスカイは、誘電性セラミックスとして我が国の電子部品産業を支えている。しかし容量を増すよう薄膜化及び大面積化を図るために行われてきた積層コンデンサの開発も今や極限に達している。次に進むべき方策としては、誘電率の大きな新素材を開発することに尽きる。我々はSrTaO2Nについて中性子回折法を用いて結晶構造を精密化した。これによりこの酸窒化物ぺロブスカイトがTaの周りにcis TaO4N2八面体を形成して局所的に極性を持つとともに、この八面体が互いにチルトしながら頂点を共有してc軸方向に鎖を形成することを明らかにした。また焼結後にアニールして絶縁化した試料が、数万に及ぶ大きな比誘電率を示すことも示した。本年度は量子化学計算によってこの大きな誘電率を再現できるか検討するとともに、再現性の高い成形焼結プロセスを開発することを目指した。 1. cis TaO4N2八面体が互いに0°、90°、180°で連結するとしてDFT計算したところ、エネルギー的に安定なTa-N鎖の連結様式は、2種類のジグザグ鎖が規則的に絡まりあうことが明らかになった。またある程度の点電荷をおいた計算では、結晶構造中に電荷の偏りを生じることが示された。 2. 焼結プロセスにおいて化学組成を保ったまま焼結するために、ガラス管に真空封入したCIP体を、カプセルHIPした。しかしTa-N間の化学結合は比較的に準安定であるためか、カプセルHIPでも緻密化した焼結体は黒色化して、窒素およびSrOが部分的に脱離した。アンモニア気流中でポストアニールして、もとのSrTaO2N粉体と同様なオレンジ色を回復することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
代表的な化学組成であるSrTaO2Nについて、精密化した結晶構造モデルに基づいてDFT計算を行った。また焼結プロセスにおいてはSrCO3を助剤として緻密化は容易であるが、窒素を放出して還元されやすいところから、焼結およびポストアニール条件の最適化が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに焼結およびポストアニール条件の最適化を進めるとともに、焼結プロセス中に窒素を放出しにくい化学組成を持つ酸窒化物ペロブスカイトについて、合成とその誘電性について調べる。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] Nanocrystals of Nitrides and Oxides2012
Author(s)
Shinichi KIKKAWA
Organizer
Nanocon-012, 2nd International Conference on Nanotechnology - Innovative Materials, Processes, Products and Applications
Place of Presentation
Bharati Vidyapeeth University (Pune, India)
Year and Date
20121018-20121019
Invited
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