2012 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマーカー検出のための超高感度ナノレーザセンサ
Project/Area Number |
24246020
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
馬場 俊彦 横浜国立大学, 工学研究科, 教授 (50202271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西島 喜明 横浜国立大学, 工学研究院, 助教 (60581452)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | バイオセンサ / フォトニック結晶 / ナノレーザ / ラベルフリー / バイオマーカ |
Research Abstract |
これまで研究ではナノスロット付きGaInAsPフォトニック結晶ナノレーザに関して,単純にタンパク質に対する超高感度を示してきたが,本研究では最初に不純物濃度が極めて高い試料における目標タンパク質の選択的な検出を調査した.これは実際に高濃度の不純物が含まれる血液に対して特別な前処理なしにバイオマーカを検出できるかどうかを判断する重要な実験である.タンパク質には抗原抗体反応モデルとなるビオチン-ストレプトアビジン,不純物にはBSAを用い,様々な不純物濃度での検出を試みた.その結果,ストレプトアビジン自体は100zMという極低濃度が検出され,それが1μMというの高濃度BSA中でも判別可能なことが確認された.これ以上のBSA濃度になると,BSAの非特異吸着の影響と思われる背景信号の上昇により,ストレプトアビジンによる吸着は確認できなくなった.つまりこれらがそれぞれ検出限界と不純物許容限界となるが,限界濃度の目標タンパク質に帯する選択比は10兆と評価された.血中には約1nMの不純物(主にBSAと同様のアルブミン系)が含まれ,低濃度バイオマーカの濃度は一般に1pM程度である.今回の実験で使用したビオチン-ストレプトアビジンは親和定数が高いため検出が容易であり,多くのバイオマーカはこれより2桁程度親和定数が低い.しかし試料を1000倍に希釈して不純物を1μMに低下させても1fMのバイオマーカを検出すればよく,それは親和定数の低下を考慮しても十分に可能なことが示された.
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Research Products
(2 results)