2013 Fiscal Year Annual Research Report
機能性流体ECFを用いた高出力パワー密度マイクロ液圧源
Project/Area Number |
24246030
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
横田 眞一 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (10092579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 和弘 東京工業大学, 精密工学研究所, 准教授 (00220632)
嚴 祥仁 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教 (20551576)
金 俊完 東京工業大学, 精密工学研究所, 准教授 (40401517)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 電界共役流体 / マイクロ液圧源 / ソフトマイクロアクチュエータ / MEMS |
Research Abstract |
本研究課題では,ECFマイクロ液圧源の出力パワー密度の向上を目的として,三角柱-スリット形電極対(TPSE)を集積化した高性能ECFマイクロポンプを開発している.本年度では,このマイクロ液圧源の応用研究として,偏心チューブソフトマイクロアクチュエータにECFマイクロポンプを組み込んだソフトマイクロアクチュエータを提案,試作してその特性を解明することを目的とした.偏心チューブソフトマイクロアクチュエータは,偏心した孔を有するチューブの一端が閉じている形状をしており,この孔へECFジェットの圧力を印加することで屈曲動作する.また,そのアクチュエータの応用として,このアクチュエータ3個をフィンガとして組み合わせたECFマイクロハンドを提案し,試作した.先行研究と比較して,発生力は10倍の10mNを目標とし,それを実現するためにECFマイクロポンプの発生圧力は3倍の0.3MPaを目標とした.偏心チューブソフトマイクロアクチュエータについて発生力および変位の測定実験を行ない,ECFマイクロポンプでの駆動に適した寸法および物性値を決定し,圧力0.3MPa印加で目標値以上の11mNの発生力を得た.3本のフィンガを有するECFマイクロハンドの製作を行った.このマイクロハンドはECFマイクロポンプと体積変化ができECFの供給・戻りが可能なECFタンクとを内蔵しているため電気を供給するだけで動作が可能である.アクチュエータを除いた大きさは19.3mm×19.3mm×4mm,体積は1490mm3であり,搭載している電極対は41対直列のポンプ3個分の123対である.システム内にECFを封入するプロセスや外部漏れのない組立プロセスに成功し, ECFマイクロハンドの実現の可能性を示すことができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ECFジェット圧力で駆動されるチューブ状で屈曲動作をするフィンガ形のソフトマイクロアクチュエータを提案し,試作した.ここでは孔が偏心しており一端が閉じているソフトチューブに圧力を印加し,アクチュエータとして用いている.このアクチュエータは発生力および変位に優れ,小形化が容易という特徴を有する.これを駆動するのにECFジェットによる圧力を用いることでコンパクトなシステムができる.その圧力を発生するため,ECF電極対を2次元および3次元に集積したマイクロポンプの実現に成功した.
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Strategy for Future Research Activity |
従来の三角柱-スリット形電極対の配列では,三角柱の先端の反対側からスリットへ逆方向のECFジェットが発生しないよう距離を設けられ設計されている.しかし,枠の空間において有効に活用ができず,その空間分の面積を多く使ってしまう.そこで,三角柱-スリット形電極対においてスリットを統合し,前方の三角柱間に後方の三角柱先端を配置した五角柱アレイ電極対を提案する.この配置から,連続的に急峻な箇所からスリットへとECFジェットが発生するというECF効果によってすべての電極がECFジェットを発生させることができ,なおかつデッドボリュームを減らすことができる.五角柱アレイ電極配置では,五角柱の先端から発生されたECFジョットは次の五角柱からのECFジェットの流れに乗ることができ,損失を軽減することが期待できる.この五角柱電極対アレイと従来の電極対は面積比より約30%電極の面積を少なくすることができる.また,五角柱電極対が従来形の電極対と同じ条件において同等の圧力や流量が得られれば体積パワー密度ではデバイスの面積より約2.23倍の性能が期待できる.今後は,この新たな電極形状の試作・実験・性能を評価し,従来の形状との比較検証も行う.
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