2013 Fiscal Year Annual Research Report
急速冷却を革新する微小液滴蒸発の物理と表面性状効果
Project/Area Number |
24246038
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高田 保之 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70171444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 厚史 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10243924)
河野 正道 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50311634)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | スプレー冷却 / 表面粗さ / 濡れ性 / 液滴 / 固液接触 |
Research Abstract |
H25年度は主に単一液滴の挙動に注目して,(1)IRカメラによる液滴蒸発過程の熱伝達計測,(2)高温面への衝突過程における衝突角度の影響の調査,の2種類の実験を行った. (1) IRカメラによる液滴蒸発過程の熱伝達計測・・・・シリコン基盤にFC-72液滴を滴下し,その蒸発過程における基板と液滴の接触面の温度分布,熱流束分布を調べた.計測には高速度IRカメラを使用し,ふく射解析等はメリーランド大学およびエディンバラ大学の研究協力者の指導により行った.また,横方向からCCDカメラで液滴の形状を計測し,体積の変化から蒸発に要する熱量の推定を行った.この方法で得られた値とIRカメラの画像から得られた伝熱量を比較したところ非常によく一致した.また,内分に発生するHydro-Thermal Wave(HTW)の構造についても計測することができた. (2)高温面への衝突過程における衝突角度の影響・・・・マイクロジェットディスペンサで構築した液滴射出装置により,粒径と速度を制御した状態で,高温金属ディスクへの液滴の衝突角度の影響について調べた.金属ディスクを600℃まで加熱した後,500μmの液滴を衝突速度2.5m/s,88個/秒で衝突させる.角度は15,30,45度の3種類である.この結果,45度の衝突角度の時に冷却速度が最大となった.高速度カメラによる観察から,角度45度の時は衝突時に高温面上をすべるように移動し,その際の接触時間が他の角度よりも長く,冷却に寄与することが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基板上の液滴の蒸発に関する実験結果は,2013年7月にLangmuirという国際論文誌に掲載差入れた.計測手法もほぼ確立し,国際共同研究も順調である.海外の研究協力者も昨年度は述べ3回来日し,実験や解析に従事した.衝突液滴については,角度の影響が明らかになりつつある.これはいままにで得られていない知見であり,国内外の研究集会で報告することを計画している.最終年度には当初計画の目標は達成できる見込みである.
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Strategy for Future Research Activity |
基板上の液滴の蒸発については,周囲雰囲気の影響をコントロール可能な実験装置を製作して,主に湿度の影響を調べる予定である.衝突液滴については,角度の影響と表面粗さや参加皮膜の影響を調べる予定である.
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[Journal Article] Behavior of small droplet impinging on a hot surface2014
Author(s)
Fukuda, S., Kohno, M., Tagashira, K., Ishihara, N., Hidaka, S., Takata, Y.
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Journal Title
Heat Transfer Engineering
Volume: 35
Pages: 204-211
DOI
Peer Reviewed
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