2013 Fiscal Year Annual Research Report
大曲率3Dコンポジットの動的設計と航空・自動車構造への機能創出
Project/Area Number |
24246040
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
成田 吉弘 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00137407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 美龍 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50581758)
本田 真也 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90548190)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 機械力学・制御 / 複合材料・物性 / 構造・機能材料 / 機械材料・材料力学 / 設計工学 |
Research Abstract |
科研(24246040)の2年目となった平成25年度は,海外の一流専門誌を中心に約10件と,数多くの国内外での成果発表を報告することができた.これには研究分担者と大学院生約16名の協力を得てバランスよく,理論解析,計算コードの開発ができたことによる. 具体的には,能動的拘束層減衰(ACLD)を採り入れた積層複合材料の解析と最適設計の研究を進めて,効果的な振動抑制の効果を証明して論文を出版した.同様に,航空機など風荷重を受ける複合材積層構造平板要素に関連した解析方法を提案すると共に,要素が比較的に小さな曲率を持った偏平シェル要素に拡張した.これらの成果は,海外の専門誌に出版された.さらに2つの力学的安定状態を有するバイステイブル(bi-stble)な積層シェルを研究して,1つの安定状態から他の状態に移行する際の条件を検討した.これにより少ないエネルギー入力でも,積層の凹凸状態を変化させて航空機の制御に用いる可能性を議論した. 以上は直線状繊維であったが,最近発展が期待されている曲線状繊維強化複合材料について解析方法の研究と,その曲げ方について最適化の可能性を検討した.その結果,直線状繊維強化では得られない積層板の特性が得られることが示された.ただし同時に位置により繊維含有率が変化する等の問題点も明らかになっため,引き続いて問題解決に当たっている.さらに曲面について,感性工学的な面からも評価を行い,形状のシンプルさなど主観的評価についても検討を進め,一部の成果は学術誌に発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題については,目的の達成は順調に推移していると言える.その理由として,国内外の専門誌に約10編の論文を掲載して,とくにIFの付いた英字誌に投稿していること,また欧米,アジアの国際学会と国内全国レベルの国内学会に,それぞれ約10件くらいずつ講演していることによる.研究室の人材育成の面からも,大学院生に国際学会にて英語講演させることを企図している. 具体的には,製造技術の確立している直線繊維強化複合材については,より高精度の解析方法の発展と,数理計画法とメタヒューリスティク法のバランスをとった最適設計設計法を確立しつつある.実験室内の試験片製造技術も,材料定数の安定した再現が可能となっている.また曲線繊維強化複合材料については,解析と最適化の検討と共に,繊維含有率の非均質化の問題に対して,解決に近づいていることによる.
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Strategy for Future Research Activity |
科研基盤(A)の2年目の成果報告を行ったが,海外の一流専門誌を中心に約10件と,数多くの国内外での成果発表を報告することができた.今年度は,理論面では外圧座屈に強い曲面と曲線強化繊維の組合せた構造の解析方法を提案して,計算プログラムを製作する.自由な曲面に強化繊維を効果的に沿わせる方法を開発して,ピエゾ素子を貼付した積層構造などに拡張する.また未解決の積層板の剥離を防止するため板厚方向に繊維を強化する構造問題について,解析方法の基礎概念を提案する.さらに最終的な本来の目的となる大曲率を持つ積層構造に,目的に応じて最適な繊維形状を与える曲線繊維強化構造の解析法と最適設計に目処をつける計画である.この様に研究分担者と大学院生16名の協力を得てバランスよく,理論解析,計算コードの開発を行うと共に,並行して3Dプリンター技術等を利用して実験的な検証を進める計画である. さらに航空機に実際に複合材料を使用している企業との情報交換が最近始められたことから,今までの基礎的な研究から実際的な航空構造への曲線繊維強化などの拡張を検討している.
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Research Products
(40 results)