2013 Fiscal Year Annual Research Report
多様な臓器・器官の低侵襲操作のための高集積手術機械システムの創造
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24246043
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小俣 透 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (10262312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 俊男 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 講師 (80376954)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 知能機械 |
Research Abstract |
多様な臓器・器官を低侵襲に操作するための高集積手術機械システムを開発することを目的とし,つぎの研究を行った. 1.吸引手術機器の開発:肺,肝臓などの大型臓器を挙上するための吸引手術機器の開発を行っている.本年度はベローズ,バルブ,ヒンジ等の構成要素をシリコーンゴムやポリプロピレン等の柔軟部材で製作する方法を確立し,これまでに開発したものよりも大幅に性能向上した吸引手術機器を開発することができた.これにより,柔軟で滑りやすい500 gの食用肉を挙上することに成功した. 2.小型力センサを組み込んだ鉗子の開発:鉗子の軸方向の力精度が構造上他の方向に比べて著しく悪くなる問題を指摘し,それを改善する力センシング方法を考案し,それを実装する鉗子を設計した. 3.口腔外科小線源治療用遠隔手術システムの開発:医師の被曝を低減させるために,遠隔で小線源を舌などの口腔内器官に刺入するシステムを開発している.治療時の刺入間際に遠方より小線源を針に装着することにより被ばくを低減する装置を開発し,約6割被ばくを低減できることを示した.また,治療に係る医師の数を減らす方法を考案した. 4.咽頭がん手術マニピュレータの開発:咽頭がんの手術では,喉の形状に合わせて湾曲した鉗子を用いて手術を行っているが,直線状ではないため,その操作が難しい.湾曲した鉗子を手元から直観的に操作可能とするマニピュレータを開発しているが,設置を考慮するとコンパクトであることが望ましい.そこで必要な自由度を見直しコンパクトなマニピュレータを設計した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
製作方法等の基盤技術の確立や基礎的な検討はほぼ終了し,開発するシステムの完成度を上げることが残されている.以下の理由で全体として,おおむね順調に進展していると判断できる. 1.吸引手術機器の開発:ベローズ,バルブ,ヒンジ等の構成要素をシリコーンゴムやポリプロピレン等の柔軟部材で製作する方法を確立し,順調に進展している. 2.小型力センサを組み込んだ鉗子の開発:軸方向の力計測の精度を確保した鉗子の設計は順調に進展している.一方,これまで開発していた音による力センサは多自由度の鉗子ではなく,圧排機器に組み込むことが適当であると判断した.この点は見直しが必要であるが,おおむね順調に進展している. 3.口腔外科小線源治療用遠隔手術システムの開発:小線源治療時に遠方よりを針に装着する装置に関しては,臨床を目指す段階にきており順調に進展している.一方,小線源を刺入するマニピュレータについては設計を進めている. 4.咽頭がん手術マニピュレータの開発: 設計を進めておりおおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年では多様な臓器・器官を低侵襲に操作するための高集積手術機械システムを開発するという目的を達成するために,システムとしての完成度を上げる.一部については臨床を目指して研究を進展させる.
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Research Products
(10 results)