2013 Fiscal Year Annual Research Report
全光ヒルベルト変換・逆変換を用いた光単側波帯変調方式
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24246066
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
高野 勝美 山形大学, 理工学研究科, 准教授 (60302303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 学 山形大学, 理工学研究科, 教授 (50226007)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 光通信 / 光ファイバ / 単側波帯変調 / 光信号処理 / ヒルベルト変換 |
Research Abstract |
本研究の目的は以下の通りである.すなわち,光ファイバ帯域の有効利用が可能となる光単側波帯変調方式を実現する.そのために必要な信号位相変換処理(ヒルベルト変換)に,光導波路をベースにした光回路を用いる方法を提案し,光波領域で信号処理を行う技術を開拓する.これまでの研究から得られた理論的知見を発展させ,高次信号位相変換処理回路の試作とそれを用いた光単側波帯変調信号光ファイバ伝送方式を実現するとともに,ヒルベルト逆変換の可能性を検討する.これにより,既存の光送受信器を置き換えることなく,周波数利用効率の高い光信号に変換することができ,波長多重されている複数の光チャネルを一括して処理でき,大容量の光通信の発展に寄与する. 本年度は以下のことを実施した.すなわち,1.光通信における光単側波帯変調方式の実用化のために重要である受信器での逆ヒルベルト変換法を検討, 2.光単側波帯変調のピーク対平均電力を低減するためのヒルベルト変換法の検討, 3.光SSB変調方式を応用した光ネットワークで波長資源有効活用のためのネットワーク設計アルゴリズムの検討, である. 初年度はヒルベルト変換および逆変換の具体的な光素子を検討したが,本年度はそれらを光通信方式に適用するための方策を主に検討した.ヒルベルト変換法としては,その振幅特性を高域通過型とすることで,光単側波帯変調信号のピークを抑えることができ,ファイバ伝送中の非線形現象の発現を抑制できることを示した.また,受信器のでの逆ヒルベルト変換は,送受端でそれぞれ光で90度の移相処理を行うことで,全体として逆ヒルベルト変換となることを生かした受信器構成を提案し,理論的にその特性を評価した.こうした方式により周波数利用効率が高くなった光ネットワークの設計法について,遺伝的アルゴリズムによる方法を検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究目的を達するための計画に沿って研究が進んでいる.これまでの研究成果をベースにさらに発展が見込まれる. 初年度はヒルベルト変換および逆変換の具体的な光素子を検討したが,本年度はそれらを光通信方式に適用するための方策を主に検討した.最終年度はこれらを総合的に実証する実験と理論的な検討を加える.
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Strategy for Future Research Activity |
逆ヒルベルト変換法について光電変換を介する方式と全光学的な方法を合わせて検討することにより,相補的に研究成果が生まれるものと考えられる.初年度に作成した光素子とディジタル処理ヒルベルト変換の考え方を応用して,より具体的な手段を検討していく.
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