2014 Fiscal Year Annual Research Report
アクティブNDEを取り入れた機能的コンクリート材料・構造物の開発に関する研究
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24246078
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
廣瀬 壮一 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (00156712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 隆泰 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (00535114)
中畑 和之 愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (20380256)
車谷 麻緒 茨城大学, 工学部, 准教授 (20552392)
岡崎 慎一郎 独立行政法人港湾空港技術研究所, 構造研究領域, 研究官 (30510507)
渡辺 健 公益財団法人鉄道総合技術研究所, 構造物技術研究部, 副主任研究員 (40450746)
小倉 大季 清水建設株式会社技術研究所, 社会基盤技術センター, 研究員 (50624037)
二羽 淳一郎 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (60164638)
古川 陽 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (60724614)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 短繊維補強コンクリート / ひびわれ進展 / 超音波イメージング / 非線形超音波 / アコースティックエミッション / 数値シミュレーション / 損傷モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
a.コンクリートに適したNDEの開発:AE波形を連続記録し,実験後の波形解析によってAEエネルギー及びAE源標定の算定を可能とする計測システムを構築した.また,超音波リアルタイムイメージング手法の構築のため,超音波マトリクスアレイ探触子を用いた全波形サンプリング処理方式による固体内欠陥の3次元イメージングについて検討を行った.高速なマルチプレクサとGPU計算処理によって,欠陥像をすばやく3次元出力するプロトタイプを開発した. b.NDEに適したコンクリート材料の開発:横穴やスリットを有するコンクリート試験体を作成し,アレイ超音波法及び非線形超音波法を適用して欠陥の検出能を評価した.また,コンクリート中を伝搬する線形超音波の特性を把握するため,コンクリートのメゾスケール構造を考慮した3次元波動伝搬シミュレーションを行い,計測実験との比較を行った.実験と解析は概ね良い一致を示した. c.ひび割れ制御機能を有するコンクリート構造物の設計:コンクリート,モルタル,短繊維補強モルタルを対象に,ひび割れ幅を制御しながらひび割れを進展させる引張破壊実験を行った.同時に非線形超音波試験を実施し,コンクリートの損傷評価の可能性を検討した.また,短繊維補強鉄筋コンクリート供試体の鉄筋の押抜き載荷による繊維補強ひび割れ進展実験を実施し,RC構造物のかぶりのひび割れ形状の変化や荷重保持性能が向上することを確認した.コンクリートのひび割れ進展を計測するための画像解析手法を開発し,損傷モデルによるひび割れ進展解析の妥当性を検証した.さらに,修正Von-Misesモデルに基づく損傷モデルを用いて,鉄筋コンクリートに生じる内部ひび割れを3次元解析で再現した. d.NDEによるモニタリングを伴うコンクリート構造物の補修:樹脂注入もしくは,微生物による炭酸カルシウム生成によるひび割れ閉塞に関するモニタリングの実証予備実験を実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度に予定していたa.~d.の4つの研究テーマのそれぞれについてほぼ計画通りに進んでいる.a.「コンクリートに適したNDE の開発」では,連続波形記録によるAE計測システムと3 次元画像化のプロトタイプを開発した.b.「NDE に適したコンクリート材料の開発」ではアレイ超音波法及び非線形超音波法による欠陥の検出能の評価を行った.また,コンクリート中の波動伝搬シミュレーションと実験においてよい一致が得ている.ただし,コンクリート中の波動伝搬の特性を踏まえた低周波超音波プローブのさらなる改良については今後の課題である. c.「ひび割れ制御機能を有するコンクリート構造物の設計」では,内部ひびわれの発生と進展を3次元解析で再現できたのみならず,その結果を物質移動解析にも応用して構造物の耐久性の評価も試みた.d.「NDE によるモニタリングを伴うコンクリート構造物の補修」では,計画通り予備実験を実施した.このように研究は,実験と解析の両面において順調に進展しており,全体の達成度は最終目標の70~80%に達している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,当初の計画通り,a.~d.の4つの項目の内,c.とd.を中心に研究を進める. c. ひび割れ制御機能を有するコンクリート構造物の設計― ひび割れ制御実験及びNDE によるひび割れのモニタリング:コンクリート材料からなる供試体を製作し,リアルタイムイメージング計測とAE計測の両方を用いてひび割れ進展をモニタリングする.また,別のモニタリング手法として,ハンマー試験および超音波探触子による多点計測を考案中である.モニタリングで異常を検知した上で,リアルタイムイメージングによる損傷同定・評価を行う2段階検査法を考えている.また,コンクリートに膨張剤などを混入することで,鉄道構造物に多いRCラーメン構造物のひび割れ制御の可能性について検討を行う.既に有限要素法に基づく温度応力解析のほか,死活荷重のみならずコンクリートの収縮・クリープを考慮に入れた評価法の構築に努めることで,最終的にひび割れを特定の箇所に局所化させる設計法の開発を行う.また,内部ひび割れが波動伝搬に与える影響について実験および数値計算により検討し,内外のひび割れの発生がNDEの精度に与える影響について検討する.さらに,内部ひび割れが塩化物イオン等の鉄筋の劣化因子となる物質の浸透抵抗性に与える影響についても同様に,実験と計算の両面で検討する. d. NDE によるモニタリングを伴うコンクリート構造物の補修: 樹脂注入によるひび割れ補修を対象とし,注入補修時におけるひび割れのNDE モニタリングを行う.ひび割れ注入とひび割れ進展は表裏の関係にあるので,前項c.と同様のリアルタイムイメージングを用いることができる.平成26年度における簡易試験体を用いた予備実験の結果をもとに,本実験を実施する. (次年度使用額が生じた理由と使用計画)該当なし
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Research Products
(45 results)