2014 Fiscal Year Annual Research Report
相変態誘起空孔-新しい原子空孔形成機構の解明とその役割の実証-
Project/Area Number |
24246105
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
白井 泰治 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20154354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 一樹 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30517470)
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Project Period (FY) |
2012-05-31 – 2015-03-31
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Keywords | 原子空孔 / 格子欠陥 / 陽電子消滅 / 相変態 / 内部酸化 / Ag合金 / 空孔形成 / 析出 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究によって、内部酸化により大きな体積膨張が期待されるAg-In 合金の内部酸化に伴う相変態誘起空孔の存在が明らかになった。今年度は相変態誘起空孔現象の更なる検証のため、Ag-Al、Ag-Mg、Ag-Zn、Ag-Sn合金の内部酸化に伴う格子欠陥形成を陽電子寿命法と陽電子消滅同時計数ドップラー幅広がり法(CDB法)を用いて調査した。陽電子寿命法の結果ではAg-In合金と同様に調査した全ての合金においても内部酸化過程での格子欠陥形成が見られることが明らかになった。また内部酸化した試料についてCDB法によって陽電子消滅位置の周囲の元素分析を行った結果、陽電子の消滅相手の電子の運動量分布を示すS-Wパラメータは、Ag-In合金の場合と同じ直線上に位置していることが明らかになった。この結果は原子空孔の周囲の環境が添加元素の種類により大きく変化しないということを示しており、原子空孔は酸化物中や酸化物と母相の界面ではなく、母相中に存在することが示唆された。 次にAg-Al合金の内部酸化試料や、塑性加工・低温焼鈍を施したAgについてX線回折測定を行い、回折ピークの幅広がりを計測した。塑性加工を施したAgでは回折ピークの幅広がりが観測されたが、一方で内部酸化試料では回折ピークの幅広がりが観測されなかった。この結果は内部酸化に伴う転位密度の増加が見られないことを示唆している。また、塑性加工・低温焼鈍を施したAgのCDB測定結果、内部酸化に伴うS-Wプロットの変化の傾向は内部酸化試料とは異なるということが明らかになった。これらの結果はAg合金の内部酸化に伴って原子空孔が導入されていることを示唆している。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)