2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24246120
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺嶋 和夫 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (30176911)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | クライオ / プラズマ / 材料プロセス |
Research Abstract |
(1)クライオプラズマの創製と物性研究(プラズマ診断) 主に、①クライオヘリウム、②クライオヘリウム/窒素、③クライオアルゴン/酸素、クライオヘリウム/酸素プラズマの創製とそのプラズマ診断を行った。とりわけ、①については、ヘリウムの臨界点近傍における絶縁破壊現象についての研究を行った。これは、希ガスのクライオプラズマに反応性を付与するための反応場として臨界点近傍の密度揺らぎ場に着目したもので、絶縁破壊現象というプラズマ生成の前駆現象における分子配置の相関距離と電子の平均自由行程の関係性を示し、大きな揺らぎを内包するプラズマ反応場における反応機構の基礎となる電子の運動への知見を得た。また、②については、クライオプラズマを含む低温プラズマにおいて重要なパラメーターである「中性プラズマガス温度」によりプラズマ化学が劇的に変化すること、プラズマガス温度を考慮した反応モデルにより再現できることを、時間分解発光分光測定、レーザー吸収分光などの分光学的実験、および、新たに構築したプラズマ反応モデル計算により明らかにした。 (2)材料プロセス予備実験 酸素/アルゴンおよび酸素/ヘリウム混合系のクライオプラズマによる低誘電率材料の低侵襲性アッシングの実験を行った。クライオプラズマを使用することによる低侵襲性を、従来の固体構造の解析(電子顕微鏡、光電子分光法、X線反射法など)に加え、本研究では電気的特性の向上によっても確認し、クライオプラズマプロセスの低ダメージ性を実証することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は順調に進んでおり、①密度揺らぎ場中の電子の運動や、②プラズマガス温度によるプラズマ化学の変化およびそれに対する反応モデルの構築、など目的に十分に沿った成果が得られ、また国際会議でのAWARDを受賞するなど高い評価をいただいた。。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成26年度は、順調に進んでいる従来の方針に沿って実験および計算研究を進めるとともに、今までの研究結果について、国際学会発表、国際雑誌への投稿論文として積極的にその成果を発信していく。
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