2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24246121
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉村 博之 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10293656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一井 崇 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30447908)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 材料加工・処理 / 接合・接着 / 表面・界面物性 / 表面活性化 / 真空紫外光 / 高分子材料 / 有機ー無機接合 |
Research Abstract |
無酸素環境(高真空下)~高酸素分圧環境(酸素濃度100%の大気圧環境)でVUV 照射が可能なシステムを試作した。まず、実験に必要なスペックを満たす仕様設計を行い、それに基づき装置類・部品類を発注した。組立調整を行い、システムが計画通りに動作することを確認した。高分子表面でのVUV 励起表面反応を正しく理解するために、酸素分圧・照射距離によって変化する反応過程 (酸素による反応促進効果の強弱)を十分に制御した実験結果に基づき考察することが、必要不可欠であるが、本システムの試作により初めて可能になった。実際に、これまでに豊富なデータ蓄積があるCOP を中心に、高真空環境下では極性官能基が生成せず、表面から内層にかけて水素脱離による二重結合が形成されること、酸素環境では まず-OHが形成された後-COOH基が生成されることを明らかにした。フッ素系ポリマーについても、VUV励起反応による表面改質の可能性を検討したが、フッ素系ポリマーは、真空紫外光に対する反応活性が極めて低い-事実上反応しないことが判明した。 さらに、銅とCOPの異種接合について予備検討を行ったところ、銅と有機単分子膜の接合強度が支配要因であることがわかり、ここの接合強度を強化することで、銅-COP接合が実現する可能性を見いだした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
照射環境を高度に制御できるVUV照射システムを試作し、本システムが計画通りに動作し、必要な実験が行えることを確認した。実際に、反応過程を調べることのできたポリマーはCOP, フッ素系ポリマー,ポリエチレンの3種だけであるが、環境の変化と高分子種の違いによる反応性の違いを明らかにすることができた。 また、銅とCOPの異種接合の予備実験を行い、接合強度の最も弱い場所が明確になった。異種接合実現のための、研究指針を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
作製した環境制御VUV 照射システムを用い、表面反応過程を解析する。対象とするプラスチック材料は、これまでに豊富なデータ蓄積があるCOP を中心に、より詳細に検討していく。さらに、フッ素系ポリマー以外のプラスチック素材 [COP と同じポリオレフィンであるポリエ チレン(PE),ポリプロピレン(PP),芳香族炭化水素ポリマーの ポリスチレン(PS),酸素 を含有しているポリメチルメタクリレート(PMMA),酸素と芳香族環のあるポリカ ーボネート(PC),ポリエチレンテレフタレート(PET),窒素を含有するポリイミド(PI)の中から順番に] で実験を行う。試料のVUV 照 射は、酸化雰囲気・還元雰囲気・不活性雰囲気の各雰囲気下で行い、試料温度・光源との距離お よび照射時間・ガス組成と分圧等の影響を評価しつつ、VUV 反応過 程の解析を進める。 また、昨年の研究結果を参考にしつつ、異種接合実験を本格的に開始する。
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Research Products
(9 results)