2014 Fiscal Year Annual Research Report
ソーラー熱化学水素製造を目指した硫酸分解触媒の開発
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24246130
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
町田 正人 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (70211563)
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Project Period (FY) |
2012-10-31 – 2015-03-31
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Keywords | 触媒・化学プロセス / 再生可能エネルギー / 水素 / 新エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
①硫酸分解触媒の構造・物性評価:X線吸収微細構造、光電子分光、ラマン、FTIR等によりSO3分解に伴う構造変化について調べた。Cu-V系酸化物では反応雰囲気で、Cu種とSO3からCuSO4が生成するので、これを中間モデル物質と考えた。CuV2O6融体とCuSO4の混合物は600 ℃において、CuSO4が消失し、融体中に溶け込んだSO4種が生成した。SO4種がCuV2O6融体へと溶解した後に、分解が加速した。CuV2O6融体は高い酸素放出速度を示し、高濃度のCu+を含むことが分かった。 ②階層構造制御による高性能化:触媒反応雰囲気あるいは窒素雰囲気での100 h熱処理後の担持触媒の組成、比表面積およびSO3分解活性を測定して多孔性階層構造触媒の熱安定性を評価し、その改善方法を検討した。熱処理前後の担持触媒の金属モル比に変化はなく、比表面積は100 h熱処理の間に徐々に約半分まで低下した。これはバナジン酸塩融体によるSiO2担体のコロージョンに起因することが分かった。 ③硫酸分解触媒機構の解析:TG測定より求めた酸素欠損量およびCuの平均価数をもとに、欠陥構造モデルを構築し、DFT計算によって最も欠損し易い酸素サイトを特定した。表面酸素の脱離過程は吸熱的であり、この際の電荷はCu+の生成によって補償される。生じた酸素欠陥サイトにSO3の酸素原子が引き抜かれる形でSO2へと変化し、元の表面に戻る過程は発熱的に起こる。融体触媒の場合、SO3が融体内部に溶解した後に、Cuの酸化還元作用によってSO2への分解が促進されると推定される。 ④研究の総括:3年間の研究成果をまとめて、耐熱性、耐蝕性および高活性を満足する実用的な硫酸分解触媒の設計に必要な因子を体系化し、ソーラー熱化学水素製造触媒として実用化研究に展開する上での基礎データが得られた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)