2012 Fiscal Year Annual Research Report
人工光合成型二酸化炭素固定化反応のための新規光触媒の開発
Project/Area Number |
24246131
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
工藤 昭彦 東京理科大学, 理学部, 教授 (60221222)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 人工光合成 / 光触媒 / 二酸化炭素 / 水 |
Research Abstract |
本年度は,これまでに報告してきたAg/BaLa4Ti4O15光触媒(K.Iizuka, A.Kudo, at al., J.Am.Chem.Soc. 2011, 133, 20863–20868)の知見を活用して,Ag/NaTaO3:Ba光触媒の高活性化と新規材料の探索を主に行った。 (1) Ag/NaTaO3:Baの高活性化 -炭酸水素塩添加効果- 反応溶液への種々の塩の添加効果を検討した。その結果,反応溶液への種々の炭酸塩の添加によって,CO2還元活性が向上した。特に,Ag/NaTaO3:Ba光触媒を用いたCO2還元反応において,反応溶液にNaHCO3を添加することで,CO2還元反応に対する反応選択性は60%程度から93%まで向上し,高選択的にCOを生成した。このように,反応溶液にNaHCO3を添加することで,高選択的にCO2を還元できるシステムを構築することに成功した。 (2) 水を電子源としたCO2還元反応のための新規光触媒の探索 -ナノロッド光触媒の開発- 高い水分解活性を示すNaTaO3:Ba光触媒は,Ag助触媒を担持することでCO2還元反応に活性を示す。そこで本研究では,上記光触媒と同様にTaを構成元素に含む金属酸化物光触媒の探索およびAg助触媒を用いたCO2還元反応を検討した。その結果,錯体重合法で調製したタングステンブロンズ構造を有するナノロッド状単結晶KMM’Ta5O15(M and M’ = Ca, Sr, and Ba)光触媒が,NiO助触媒を用いた水分解反応に高い活性を示しただけでなく,Ag助触媒を担持することでCO2を還元しCOを生成した。このとき,化学量論的な酸素生成を確認していることから,水を電子源として消費しながらCO2を還元できる新規金属酸化物単結晶微粒子の開発に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Ag/NaTaO3:Ba光触媒を用いた水を還元剤とした二酸化炭素の還元反応の高活性化や新しい光触媒材料の開発に成功したことから,おおむね達成したと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに新しい光触媒材料開発を行う。また,助触媒の検討や粉末光触媒及び光電極を用いた可視光照射下での反応についても,研究を加速する。
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Research Products
(28 results)