2013 Fiscal Year Annual Research Report
人工光合成型二酸化炭素固定化反応のための新規光触媒の開発
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24246131
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
工藤 昭彦 東京理科大学, 理学部, 教授 (60221222)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 人工光合成 / 二酸化炭素 / 光触媒 / 水 |
Research Abstract |
二酸化炭素の光触媒的還元反応における銀助触媒と炭酸塩の添加の相乗効果を利用することにより,数多くのワイドバンドギャップ光触媒を見いだすことができた。これにより二酸化炭素還元光触媒ライブラリーがより充実した。また,可視光領域で駆動する二酸化炭素固定化光触媒の探索として,水素生成に有効な可視光応答型金属硫化物光触媒に着目した。その結果,犠牲試薬存在下で活性を示す可視光応答性金属硫化物粉末光触媒を見いだした。さらに,これらの硫化物光触媒がp型半導体特性を有することに着目して,二酸化炭素還元のための光カソードとしての利用を検討した。その結果,可視光照射下で活性を示すことを見いだした。このときの還元生成物は一酸化炭素であった。さらに,この光カソードとわれわれが見いだしてきたBiVO4光カソードを組み合わせることにより,ノーバイアスで疑似太陽光を用いた二酸化炭素還元反応が進行することを見いだした。この場合,酸素生成も確認できた。これにより,二酸化炭素と水から一酸化炭素と酸素を生成する新たなアップヒル型の人工光合成系を構築することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的である二酸化炭素還元光触媒ライブラリーの充実,可視光駆動型粉末光触媒および光電極の開発に成功した。さらに,光電極系では,疑似太陽光照射下でノーバイアスで働く系の構築に成功した。したがって,おおむね順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
二酸化炭素還元光触媒ライブラリーをより充実していくと共に,新たな助触媒を開発することにより一酸化炭素のみならず炭化水素のような多電子還元生成物を得ることを目指す。これまでに得られた知見を生かして,新たな粉末光触媒および光電極材料系を探索する。
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Research Products
(18 results)