2014 Fiscal Year Annual Research Report
人工光合成型二酸化炭素固定化反応のための新規光触媒の開発
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24246131
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
工藤 昭彦 東京理科大学, 理学部, 教授 (60221222)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 人工光合成 / 二酸化炭素 / 光触媒 / 水 |
Outline of Annual Research Achievements |
単結晶ナノロッドKCaSrTa5O15光触媒の高活性化とそのメカニズムの解明を行った。錯体重合法を用いてTbをドープしたKCaSrTa5O15の単結晶ナノロッドを合成した。このナノロッドは,室温において,Tb3+に帰属される緑色発光を呈した。固相法で合成した同一組成の多結晶体の発光強度は,ナノロッドよりも著しく小さかった。これは,ナノロッド内の粒界における無輻射失活が,多結晶体よりも少ないことを示している。NiO助触媒を担持したナノロッドを用いた水分解反応における見かけの量子収率は,6。6% (at 254 nm)に達した。この値は固相法の約3倍である。さらに,Ag助触媒担持したナノロッドは,多結晶体よりも高効率にCO2を還元してCOを生成した。このCO生成選択率は,NaHCO3 aq。を用いることで約90%に達した。このように,光触媒の高結晶微粒子化および反応溶液へのNaHCO3の添加が,CO2還元活性の高活性化に重要であることを明らかにした。一方,可視光照射下でCO2還元反応に活性を示す金属硫化物光電極の開発を試みた。Cuを構成元素に含む金属硫化物光触媒の多くがp型半導体特性を示し,特にCu0。8Ag0。2GaS2が優れたCO2還元用光カソードとして機能することがわかった。さらに,ZnSで表面修飾することで飛躍的なカソード光電流の向上が確認され,CO2の還元生成物としてCOが得られた。また,その光カソード表面に金属助触媒を担持することでCO生成に対するファラデー効率が向上することがわかった。このように,可視光で駆動するCO2還元反応に活性な金属硫化物光カソードを開発することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
水を還元剤とした二酸化炭素還元のための新規粉末光触媒および電極の開発に成功したので,予定通りの成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
光触媒材料の探索を引き続き行う。一方で,粉末光触媒や光電極に対して表面修飾や助触媒を検討することにより,高効率化をはかる。さらには,COに留まらず炭化水素等の有用な生成物を与える新たな助触媒探索も行って行く。そして,その反応機構を解明して行く。なお,研究計画の変更は無い。
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Research Products
(18 results)