宇宙機搭載を目指す推進系統合型燃料電池のシステム開発

2012 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 24246140
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
• Research Institution: Japan Aerospace Exploration Agency
• Principal Investigator: 川口 淳一郎 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (10169691)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 曽根 理嗣 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (70373438) ; 羽生 宏人 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (60353421)
• Project Period (FY): 2012-04-01 – 2017-03-31
• Keywords: 宇宙利用・探査 / 燃料電池

Research Abstract

低温推進剤として，ヒドラジンベースの燃料と，四酸化二窒素べースの酸化剤を使用し，連続した発電において支障を来す副生成物を除去しつつ，連続した発電を可能にするための要素技術検討を行った．特に燃料と酸化剤を循環させるポンプの試作を行い，衛星推進剤に対して耐腐食性をもつ循環機能を具備することに勤めた．また，不純物を循環経路に納めたトラップに捉えて，外部に排除するための機能の検討を進め，試作品の制作を行った．
このような試験試験を実施するにあたり，ヒドラジンや四酸化二窒素分解物の漏洩を防止し，また必要に応じてこれらの物質を検知可能とすることは重要である．更には，これらの燃料や酸化剤の分解物として考えられるアンモニア，窒素酸化物，水素等の漏洩をあわせて検知し，連続発電を安全に実施するために必要となる地上系設備の整備を進めた．
また，実験終了時に，不要となった酸化剤や燃料を外部に排気する際，大気への拡散や廃液槽への直接の廃棄を防止するために，スクラバー機能を液体トラップを用意した．
これらの要素部品については，組み立てを実施し，各要素部品が連動して動作可能であること，また自動シーケンスで管理／制御が可能であることを確認しつつ，発電試験が可能な状態とした．
発電に関しては，反応メカニズムを解明する作業を進めた．特に，発電により生成してしてしまう副生成物が反応を阻害する方向に働く可能性が示唆されたため，メカニズムの解明と共に，副生成物の生成過程について，考察を進めた．

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の２４年度作業予定は，低温燃料と酸化剤による連続発電試験（燃焼試験を含む）と，新規MEAの開発としており，２５年度に副反応生成物のバンズ根機と除去とシステム連動試験等を実施する計画であったが，特に副生成物の除去に大きな課題があることを認識したため，２５年度に予定していた不純物の除去とシステム連動試験を優先して２４年度作業に組み入れた．燃焼試験等は２４年度には実施しなかったが，２５年度作業を前倒して実施しており，本件を２５年度移行に実施しても研究期間兄での課題の解決に支障を来すことはないと考えており，概ね順調に進展していると認識している．

Strategy for Future Research Activity

２４年度に先行して制作した各種パーツを連動させ，特に燃料電池への連続燃料の供給を行いつつ，連続発電試験を実施する．また，当該燃料の燃焼に係る検討，システムとしての評価，再生技術の可能性検討等に研究を展開していく予定である．
今のところ，研究を遂行する上での問題は発生していない．