2012 Fiscal Year Annual Research Report
水圧破砕とコア変形原理を統合した自己補償型深部地殻応力測定法の構築と実用化
Project/Area Number |
24246147
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 高敏 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (00184664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 浩之 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (60610178)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 地殻工学 / 地殻応力計測 / 水圧破砕 / BABHY方式 / 大深度 |
Research Abstract |
地殻応力測定に対する時代の要請は、かつての土木・鉱山開発の分野で対象とされてきた数十~数百mの浅深度から、エネルギー開発、地震対策などの分野が必要とする数km以上の大深度へと対象が拡大している。この現状を踏まえて本研究では、深度数kmにおける地殻応力の原位置測定を可能とする実用的な方法を世界に先駆けて提案し、それを実規模試験で実証することを目指している。この目標達成に向けて平成24年度には、代表者が先に提案したBABHY方式、すなわち通常の水圧破砕と異なり、本体の坑井ではなく、坑底に小坑径で長さが数 m程度の試験孔(ベビー孔)を新たに掘削し、その中で試験を行う方式を具体的に実施する上で必要となる条件を検討した。そこで、関係する研究機関および民間企業と協議を重ねた。その結果、以下の条件を基準とすることが適当と判断された。すなわち、①対象坑井径:HQサイズ、②ツール外径:φ70 mm程度(HQサイズ掘管の中を昇降できること)、③使用深度:3000 m以浅、④使用温度:100℃以上、⑤水圧破砕圧力:坑井内圧+50 MPa以上、⑥水圧破砕流量:100 cc/min以上、⑦パッカー加圧圧力:10~20 MPa(坑内圧との差圧)、⑧パッカー収縮外径:φ60 mm未満(HQコアビットを通過できること)、⑨データ:圧力(油,水,坑内水など),流量(ピストン変位),温度(ツール内・外,モーター),ツール方位・傾斜,キャリパー変位など、⑩サンプリング:10 Hz以上、⑪制御:リアルタイムでポンプおよび切替バルブを作動できることである。また、ツールを、電源制御、油圧供給、水圧供給、パッカーおよびキャリパーの各ユニットに分割し、また、坑井入口で組立/分解ができる構造とすることとした。これらの結果に基づいて、油圧供給およびキャリパーのユニットを実際に製作した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の目標であった油圧供給およびキャリパーのユニットを実際に製作することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終目的は新たな手法を実用化まで持っていくことである。この最終目標に到達するには、理論および室内実験に基づく検討のみならず、研究機関および民間企業において坑井掘削および坑井を使った計測を携わった方々の経験を組み込むことが必要不可欠である。そこで平成24年度には、JAMSTECを初めとする研究機関および民間企業との協力関係を構築した。この関係を維持して研究を進めて行く。また、平成25年度には本研究のテーマである地殻応力に関する国際会議を、代表者が議長を務めて実施する。そこで、この分野をリードする研究者と意見交換をする機会を設け、その結果を本研究にフィードバックして研究を加速する。
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Research Products
(2 results)