2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24246149
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
平島 剛 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00175556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野中 壮泰 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60271102)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 水熱処理 / バイオマス / 低品位炭 / 褐炭 / 泥炭 / 酸性鉱山廃水抑制 / 活性炭 / 廃水処理 |
Research Abstract |
バイオマスおよび低石炭化度炭(泥炭、褐炭)を用い、各種水熱処理実験を行い産物の各種分析を行うとともに産物の各種有効利用に関する実験を行った。 各種水熱処理条件下での液体産物、固体産物、ガス産物について各種分析を行い、水熱処理過程を実験的に明らかにした。得られた固体産物を用いてゼータ電位測定、凝集分散性試験などのスラリー化基礎試験、コークス化基礎試験を行い、改質条件によりスラリー化性およびコークス化性が変化し、最適な改質条件が存在することを明らかにした。石炭・バイオマス混合系水熱処理では、水熱産物の炭素量、発熱量に混合比の影響はあまり見られなかった。一方で、バイオマスの比率を上げていくと、揮発分は増加し、灰分は低下する傾向を示し、改質液のTOCとガス産物量も増加した。従って、比率を変化させることで改質炭の反応性を調整でき、バイオマスを混合することで高灰分炭の灰分を下げることができることが分かった。水熱処理により有機物は分解され一部はガスとして回収される。主なガス成分はCO2、O2、H2であった。石炭に比べバイオマスは反応性が高いため、ガス産物の回収量も多い。また、アルカリを添加した系では、生成したCO2が炭酸塩鉱物を形成することにより、水素リッチなガス産物が回収できることが分かった。さらに、バイオマス、泥炭、褐炭の水熱処理条件とカテコール生成条件との関係を実験的に示すとともに、カテコール含有改質液を用い、酸性鉱山廃水の抑制を目的とした黄鉄鉱の回分浸出予備試験を行い、適切な表面処理により黄鉄鉱浸出を抑制できることを確認するとともに改善すべき点を明らかにした。高強度中空セラミックス生成条件について検討を行い、含有鉱物成分、灰分含有量、燃焼温度に影響を受けることを確認した。また、高強度中空セラミックス回収には遠心式風力選別機が適していることを実験的に明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
原料のバイオマス、泥炭、褐炭の基礎性状把握を行うとともに、それら試料を用いて水熱処理を行い、液体産物、固体産物、ガス産物について予定通り各種分析を終了した。また、バイオマスからの有価成分製造条件を明らかにするとともに、改質産物から活性炭を製造するのに成功した。水熱処理条件とカテコール含有条件との関係を明らかにするとともに、カテコール含有改質液を用い、石炭開発において問題となる黄鉄鉱からの酸性鉱山廃水抑制を目的とした回分浸出予備試験を終了した。さらに、燃焼灰からの高強度中空セラミックス回収プロセス及び燃焼条件について検討し、高強度中空セラミックス回収のための最適な風力選別機、制御システムを構築するなど、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
水熱処理により、褐炭、ピート(泥炭)、バイオマスなどの低品質エネルギー資源からクリーンな高密度エネルギーおよび高付加価値燃料を回収するためには、改質液からの有価物回収、改質液の有効利用、その後の廃水処理が極めて重要となる。今後、固体産物の有効利用とともに、これらの研究を推進する。
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Research Products
(32 results)