2013 Fiscal Year Annual Research Report
創風および集風型のウインドソーラータワーに関する開発研究
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24246161
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大屋 裕二 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (00150524)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ソーラータワー / 太陽熱発電 / 風力発電 / コジェネレーション / 風レンズ効果 / 出口吸い込み効果 |
Research Abstract |
熱上昇風として: 実験室内(モデル大きさ:太陽光コレクタ部2.5m四方、ソーラータワー高さ2m)の規模で、従来のソーラータワー(直円筒型タワー)と比べ、上方拡大型(片開き角4度)にするだけで6倍の発電量を得た。実験条件は下方のヒータで床面マットを加熱し、上空との温度差で熱上昇風を駆動するものである。得られた知見は以下の通りである。 1)数年前の40cmタワー高さのミニモデルに対し、今回は2mへ拡大している。そのため、相似則によれば√5倍の速度増加が得られるが、実験結果はほぼ2.3倍となった。2)熱上昇風速度はタワー下部と上空周囲との温度差に大きく依存し、最大温度差30度で熱上昇風速2.5m/sとなった。3)従来のソーラータワーの直円筒型タワーに対し、本提案の上方拡大型タワー(4度開き)は約1.5-1.8倍の増速効果を得た。4)これにより、ミニ風車タービンの発電量を比較すると本提案のタワーでは6倍の発電量増加を得た。5)集熱部の温度分布を水平方向、垂直方向で調べた。その結果、タワー下部の根元付近(風車タービンを設置するところ)で最も高温域になることが示された。特に周囲との温度差が大きいケースでその傾向(タワー下部の高温域の突出)は顕著になる。これらは同時に行っているCFD解析と比較するために有用なデータとなっている。 上空風による吸い込み効果の上昇風: 平成25年度は上空風の実験は装置製作だけに終わった。平成26年度から大型風洞で、高さ2mのタワー出口に強風を当てて吸い込み効果を調べる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
熱上昇風の実験に時間を取られているため、上空風による吸い込み流の検証実験が遅れている。同時にCFD(数値流体解析)も熱と流れの重要な二つの要素を計算に反映させるための近似法がブジネスク近似が妥当かどうかの検証から始めているため、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
ソーラータワーとしての熱上昇風試験は、室内実験として期待以上の発電量増加を得た。次年度はこの室内モデルを野外に設置し、実際の太陽光で熱上昇風が発生し、風車タービンを回せるかどうかを検証する。 同時にタワー高さ10m、風車ロータ1.4m、集熱部10m四方のプロタイプを製作し、本格的野外試験に入る。 上空風による吸い込み効果は、タワー出口の低圧発生装置を工夫し、室内実験で確認し、これも野外実験で強風時を待って実験する。以上により、太陽光と風力のコジェネレーション発電がウインドソーラータワーとして可能かどうかを本研究の最終年度として実施する。
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Research Products
(5 results)