2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24247003
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
甲山 隆司 北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 教授 (60178233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 牧 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (40396817)
隅田 明洋 北海道大学, 低温科学研究所, 准教授 (50293551)
高田 壮則 北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 教授 (80206755)
久保 拓弥 北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 助教 (80344498)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 共存 / 理論 / 平衡 / 光資源 / 競争 |
Research Abstract |
【理論研究】(1) 森林の垂直葉群分布を二層に単純化した一般化競争モデルおよび安定性解析手法を検討した。一種だけの場合でも、下層での繁殖の貢献が上層のそれより大きいときに、不安定解(サドル解)で分割される複数の安定解が現れることを見出した。(2)個体成長の確率的変動を扱うサイズ・齢分布動態モデルを解析し、最適生活史戦略に関する理論を構築した(既発表, Oizumi and Takada 2013)。 【野外検証】(3) 葉群分割仮説と透過率仮説を北海道雄阿寒岳の亜高山帯永久調査区において、アカエゾマツとトドマツの葉群垂直分布と樹冠透過率をポータブル・ライダーを用いて観測した。両樹種稚樹の樹高および樹冠水平成長と稚樹樹冠の光環境観測を行った。(4) 葉層分割仮説と透過率分化率仮説を検証するために,北茨城市の小川学術参考林の落葉広葉樹林において野外調査を行い、林冠構造の水平・垂直分布に対応した主要樹種の実生・稚樹の空間分布特性を指標するデータを取得した。(5) インドネシア・ボルネオの中カリマンタンにおいて、泥炭湿地林とヒース林の主要構成樹種の樹冠アロメトリーおよび葉÷茎特性と成長速度・死亡率の関係を解析した(一部発表: Atikah et al. 2014)。 【調査区データ解析】(6) 種多様性の高い熱帯多雨林を対象に葉層分割仮説の予測を検証するために、マレーシアのパソー保護区50ヘクタール調査区データを用いて種間のサイズ依存的な成長速度・死亡率および加入速度の比較を階層ベイズ統計モデルを用いて解析した(一部発表: Iida et al. 2014)。(7) 台湾亜熱帯林に設定されたフーシャンの25ヘクタール調査区で、主要樹種の葉特性と成長速度・死亡率それぞれのサイズ依存的な変化を解析し、種間分化と共存のメカニズムを考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年次計画で予定した、上下両層で繁殖する1種系の平衡解の理論解析を終えた。下層の繁殖貢献が高い場合、不安定解を含む複数の局所安定解が現れることを示した。 フィールド調査は、計画どおり、雄阿寒岳の針葉樹2種優占混交林で、葉群垂直分布と透過率のライダー観測と稚樹成長解析を実施した。 マレーシア熱帯多雨林や台湾亜熱帯多雨林のプロットデータのデモフラフィー解析を終え、論文発表(2編)を終えた(Ecology; Journal of Ecology)。 計画したTNTECOL London (2013年8月)では、座長も担当したセッションにおいて本研究課題である並行仮説の整理を発表し、欧米の多くの関係研究者と議論を深めた。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のように当初計画に添ってほぼ順調に研究が進んでいる。海外の森林調査データを用いた共同解析も積極的に進めつつある。2014年度には、特に理論(上下層で繁殖する一般モデル)と熱帯長期観測プロットデータを用いた超多種系におけるモデル検証の論文とりまとめを進める。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Linking size-dependent growth and mortality with architectural traits across 145 co-occurring tropical tree species.2014
Author(s)
Iida, I., Poorter,L., Sterck,F.J., Kassim, A.R., Potts, M.D., Kubo, T. and Kohyama, T.S.
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Journal Title
Ecology
Volume: 95
Pages: 353-363
DOI
Peer Reviewed
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