2012 Fiscal Year Annual Research Report
精神的ストレスに対する脳を含んだ循環系の全身的協関
Project/Area Number |
24247045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
岩永 光一 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70160124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 圭太 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40325569)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 脳 / 循環系 / 全身的協関 / 下半身陰圧負荷 / 精神的作業負荷 |
Research Abstract |
平成24 年度は、脳を含む循環系の全身的協関についての評価システム構築を主な目的とした。中大脳動脈血流速度(超音波ドプラ法)、大脳皮質ヘモグロビン濃度変化量(近赤外分光法)、血圧(収縮期血圧・拡張期血圧,連続血圧計)、一回拍出量(インピーダンス法)、心拍数(心電図)、終末呼気CO2濃度(赤外線CO2濃度計)等を同時に計測し、計測データをコンピュータに取り込むシステムを構築した。 全身の循環動態を変化させる刺激として正弦波で変動する下半身陰圧負荷を採用し、その陰圧負荷の大きさと変動周期について検討を行った。検討の結果、陰圧負荷の大きさは大気圧レベルから-50mmHgまでとし、変動周期は30~180秒の範囲とすることとした。これらの条件の設定に当たっては、前述の循環系パラメータの計測を同時に行いながら陰圧変動周期と生理パラメータの変動との関連を検討し、陰圧変動周期との関連から全身の循環調節能の特徴を検出できることを条件として行った。 上記の循環系全身的協関評価システムと下半身陰圧付加装置を用いて実験を行った。実験の目的は、下半身陰圧負荷による全身的な血液動態の変化と精神作業に対する脳を含んだ全身の循環調節の協関を明らかにすることであった。実験は、成人男性14名を被験者として実施した。実験では、上記の評価システムに頭皮上からの脳波の導出による事象関連電位の計測を加えた。下半身陰圧負荷の条件は、陰圧負荷-40mmHg、変動周期18~90秒とした。精神作業負荷として、イヤホンによる音刺激提示に対するオドボール課題を負荷した。実験条件の設定、データの計測は、おおむね順調に達成でき、現在、これらのデータの解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24 年度の主な目的である脳血流を含む循環系の全身的協関評価システムの構築を計画通り達成することができた。また、構築した評価システムと下半身陰圧付加装置を組み合わせることによって、全身的な循環動態の変動に対する脳を含んだ循環系の応答を確認するための実験を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に行った実験によって得られたデータを詳細に解析し、全身的な血液動態の変動に対する循環系の調節反応の特徴について検討する。これによって、どのような身体的・精神的負荷を採用するかより詳細な検討を行い、今後の実験計画の具体化を推進する。 また、これらの検討を実施するに当たっては、国内外の関連する研究者に協力を要請し、測定パラメータの拡充と測定・解析手法の充実を継続的に検討する予定である。
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